OKはり灸マッサージの問診票には、精神状態を問う項目もあります。
そこの、憂うつ、やる気が出ない、に〇を付ける方は結構な割合でいらっしゃいます。
実際、精神疾患と診断されている方もいらっしゃいますが、ほとんどのケースでは心療内科などは受診していません。
ここで私(院長)は思うのです。
「抑うつは病気なのか?」
と。
もちろん、日常生活に支障をきたし、仕事に行けない、ほど重症な場合は治療が必要です。
が、人間の体調や気分は、本来、浮き沈みがあるものです。
今日はなんか調子でないなあ、とか、今日はいまいちやる気が出ない、とかいう現象は、誰にでも起こりうることで、毎日常にハイテンションでやる気満々、の方が「異常」なのではないか?
「常にハイテンション」な状態は、精神医学的に「軽躁状態」といい、立派な「病気」です。
本人的には、常にハイテンションでやる気満々、の状態は、仕事もはかどるし、第一、気分が非常に爽快で気持ちがいい。
が、精神医学的には「異常」なのです。
現在、うつ病などの精神疾患を患う人が非常に多い世の中です。
津山の精神科・心療内科は、かかりたくても常に3か月待ち状態と聞きます。
にもかかわらず、テレビ番組やYouTubeでは、出演者は常にハイテンション。
とある精神科医は、こういった状況の背景には、「適応性軽躁状態の常態化」が、社会全体を覆っている、と指摘しています。
今の社会は、(昔からそうかもしれませんが)、働く人が皆「適応性の軽躁状態」をつくって、何とか仕事を乗り切っていくように仕向けられているようなとこがあり、そういった状態についていけない人が、結局脱落し、本当の精神疾患に陥っている、というサイクルがある、という可能性にしっかりと注意を払う必要があります。
私(院長)は、個人的には「いつもハイテンションな人」を見ると、ちょっと怖いです。
人間、ハイテンションな時と同じくらい、ローテンションな時が必要なのではないか?
ということで、結論的に、ちょっとやる気が出ない、とか、気分がうつうつとする、ということは、いつでもどこでも誰にでも起こりうることであり、それを無理やり「病気」にする必要はない、ということです。
ちょっと気分が憂うつ、よりも、いつもハイテンション、の方が、実は「病気」なのかもしれませんよ。