ロンドンで惨敗を喫した日本柔道は、井上監督の判断で、近年、総合格闘化する外国人柔道に対応すべく、日本代表選手に、サンボの日本における第一人者、至学館大学の松本秀彦さんに教えを乞うて、サンボを練習させたそうです。
その甲斐あって、日本柔道は、リオオリンピックで素晴らしい成績を収めることができました。
メダル獲得のためには、日本柔道へのこだわりを捨て、あえてこのような行動をとった井上監督に敬意を表します。
格闘技は様々な種類があり、それぞれ、共通部分や異なる部分がありますが、「強い者が勝つ」という点で、はっきりした境界線というものはない、と考えています。
このように、他競技のいいところを取り入れることは、決して日本の伝統を見失うことではなく、むしろいいことだ、と評価しています。
治療手技も、関節技一つとっても、様々な種類のやり方がありますが、そこに垣根はない、というのが私の考えです。
接骨、オステオパシー、カイロプラクティック、マニュアルセラピー(関節マニピュレーション、関節モビリゼーション)、武術整体(活法)、それぞれが影響を受けあっていて、混然一体となっていますが、この状況は、格闘技と同じで、「とにかく良くなればいい」という点で、あえて境界を設ける必要はない、と考えています。
それにしても、さすがヒョードルもサンボ出身だけあって、サンボの動き、技は見ていても相当面白いです。