更年期障害の代表的症状は、
1.血管運動症状:ホットフラッシュ、発汗、動悸、など
2.運動器官障害:肩こり、関節痛、など
3.精神神経症状:不安、焦燥、不眠、抑うつ、など
4.知覚系症状:蟻走感、知覚過敏、知覚鈍麻、など
このほか、消化器症状、生殖器症状、泌尿器症状、などの多彩な症状を示します。
一方、
甲状腺ホルモン過剰症では、発汗、頻脈、不安・焦燥等、をきたし、
甲状腺ホルモン低下症では、全身倦怠感、不眠、抑うつ、などの症状をきたします。
このように、更年期障害の症状と、甲状腺機能障害の症状は、非常に似通っていて、問診のみでは診断が困難なことが多いのです。
更年期障害と甲状腺機能障害は、いずれも40~50代の女性に発症しやすく、症状も類似しているため、両者の鑑別は重要です。
甲状腺疾患は、決して稀な病気ではなく、日本人の10~20人に一人の割合で発症する頻度の多い疾患です。
更年期にさしかかって、更年期障害のような症状が出た際は、安易に更年期障害と自己診断することなく、一度、甲状腺ホルモン検査を受けられることをおすすめいたします。