片頭痛をお持ちの方は、腰まわり~足にかけての下半身が冷えている方がとても多く見受けられます。
昔から、「頭寒足熱」が健康な身体の状態である、といわれていますが、片頭痛をお持ちの方は、この真逆の状態である、いわゆる「冷えのぼせ」になっている方が非常に多いのです。
この状態を、中国伝統医学では、「上実下虚(じょうじつかきょ)」といい、下半身に充足しているべきエネルギー(熱を含む)が、上半身へと上がってしまっている病的な状態、と考えます。
このような状態になると、片頭痛はもとより、首から上の様々な症状、たとえば、首肩こり、めまい、耳鳴り、突発性難聴、不眠、イライラ、鼻炎、口内炎、などが起こる、といわれています。
この状態は、更年期障害の冷えのぼせでも、全く同じ状態と考えられます。
鍼灸治療でアプローチする場合、下半身にエネルギーを充足させ、上半身から過剰となった余分なエネルギーを抜いてやる、というようなイメージで施術します。
具体的には、下半身の冷えに対し、お灸を積極的に用い、その熱エネルギーによって下半身を温めることによってエネルギーを充足させ、上半身は主にはりによって、余分なエネルギーを抜いてやる施術となります。
(実際は、より複雑に込み入っている方も少なくないため、一人一人に合わせた施術を行います。)
こうした施術を定期的に継続することにより、上実下虚の状態が改善され、それとともに、上実下虚から起こっていた様々な症状も、自然に改善されてゆきます。