原因が特定できる急性の痛みと違い、慢性の痛みは、原因を特定できないことが少なくありません。
主に、器質的病態の身体的病因検索を中心とした現代医学は、こうした機能的病態の診断・治療に対しては非力なことが少なくありません。
診断の決め手となる臨床検査の結果が得られにくいことが主な原因と考えられます。
慢性痛を抱えた患者さんは、むしろ、痛みから反映された患者さん固有の、心理・社会・実存的反応が目立ってしまい、機能的身体的病態が隠されてしまうことがあります。
そうした場合、短絡的に、「心因性」のレッテルを貼られてしまうことが少なくありません。
このような病態を、「身体因性偽神経症」といいます。
ここに、現代医学の限界と落とし穴がある、といえます。
我々のような治療師は、現代医学以外の視点・評価法を有しているため、こういった状態の患者さんでも、その方のお体を診て、触れることで、その痛みに相応する所見を取ることができることができることが多々あります。
我々のような治療師が存在する意味は、そこにこそある、と考えています。