体の凝り痛みなどの不調があれば、当然、心も落ち込んだり、イライラしたりするのは当然です。
逆に、心の不調から、体の不調を招くこともあるでしょう。
よく、いわゆる東洋医学や、それに近い心身医学では、「心身一如」と言われます。
体と心は本来つながっているもので、切り離して考えることはできない、という意味です。
それは、よく理解できます。
が、私(院長)は、この言葉は個人的にはあまり好きではありません。
腰痛の85%は原因不明で、その大半に心の問題が潜んでいる、と、最新の医学でも言われるようになりました。
心療整形外科、や、整形内科、なる言葉も目にするようになりました。
これも理解できます。
が、85%は原因不明、とは、あくまでも整形外科医からの意見であって、我々のような治療家からすれば、さらなる原因追及により、体の歪み、など、原因を推測することは可能です。
何でもかんでも「心因性」にされてしまってはたまりません。
確かに、誰にでも、今この時を生きている以上、何らかの心的問題を抱えていることは否定しません。
なんせ、「生きる」ということは、そもそも「苦」なのですから。
皆、何かしらの、家庭なり、仕事なり、友人なり、その他、諸々の悩みはあるでしょう。
ですが、こと我々のような治療院における治療の場では、患者さんの不調を改善できるかどうかの真剣勝負のみが展開されるのです。
その不調が心因性であろうが、なかろうが、結果を出せばOK,結果を出せなければ、不合格の烙印を押され、二度と来院していただけない、という非常にシビアな世界を我々のような治療家は生きているのです。
お医者さんのように、薬を出して様子見てください、のような安易な態度では終われないのです。
約15年にわたる臨床経験から、本当に「心因性」のみ、と判断される方は、ほとんどお見受けしたことはありません。
我々のような治療家は、たとえ心因性の色が濃い、とみても、同時に必ず症状の身体的原因を探ります。
そうすれば、いかにも心因性とみられる方でも、体は異常を呈しているのです。
それを「判る」能力が我々のような治療家には必要とされるのです。
そして、その異常に対して、改善するようにアプローチを身体面からする。
あとは、結果を出せるか出せないか、それ以上でもそれ以下でもありません。
それが、我々の「仕事」なのです。
100万回憐れみの言葉を患者さんにかけても、同情の言葉で慰めても、肝心の不調は改善しません。
それで、もし、改善するようであれば、もはや、我々の範疇外です。
当然のように、自分の人生は自分以外の誰も生きてはくれません。
自分の悩みや環境の不具合は、自分自身の力で解決する以外に方法はありません。
それは、もはや、我々治療家の手の届く問題ではないのです。
ですので、結論として、「治療家に憐れみや同情は不要」なのです。
不要どころか、変に感情移入しすぎると、ろくなことにならない、と、自分自身の経験から言えるのです。
治療家にも色々なタイプの人がいるでしょうから、一概には言えませんが、少なくとも私(院長)は、あくまでも、「心身の不調を身体面からのアプローチで何とかする」、こと以外にできることはありませんし、興味もありません。
いえ、興味はあります。
心身医学の勉強は好きです。
が、私は、カウンセラーではなく「治療家」なのです。
「心身の不調を、身体面から改善したい」、という方のご来院を、心よりお待ちいたしております。