自律神経機能の側面から見た場合、PMSでは、卵胞期と比べて、黄体後期の総自律神経活動と、副交感神経活動が優位に低下することがわかっています。
PMDDでは、月経周期に関係なく、自律神経活動が著しく低下していることもわかっています。
これらの事実から、PMS,PMDDにおける、黄体後期特有の、多岐にわたる心身不快症状の発現に、自律神経活動の異常が関与していることは、間違いありません。
PMS、PMDDでは、月経周期における女性ホルモン分泌には、異常がないことが多いこともわかっていますので、その病態の詳細が未解明であるものの、自律神経機能の調整、という切り口からの治療というものが考えられるわけです。
鍼灸治療には、自律神経機能の調整作用がありますので、鍼灸治療が、PMS,PMDDに効果がある可能性はおおいにある、ということがいえるのです。