坐骨神経痛を患っている方の仙骨は左右どちらかに傾いていることが多い、と感じています。
腰椎の土台である仙骨が傾いているために、腰椎にも異常を呈しやすいのではないか?と推測しています。
治療により、仙骨の傾きが修正され、真っ直ぐになってくると、それに連動するかのように症状も軽減していきます。
ですので、坐骨神経痛の治療のコツは、まず、この仙骨の傾きを修正することです。
この仙骨の傾きは、仙腸関節のロッキングと密接な関係がありますので、仙腸関節の関節としての機能を正常な状態に戻すことが必要です。
それを実現するアプローチ方法は、直接仙骨を調整する方法もあれば、仙骨周囲組織を緩めることで仙骨が自動的に正しい位置に戻るようにしてやる、など、術者の得意な方法、または、患者さんの状態によって、自由に選択すればよいと思います。
同じような症状の呈し方をしていても、同じ方法がベストとは限りませんし、同じ患者さんでも、その時期により、同じ方法では効果的でない場合もでてきます。 常に、その患者さんの「今」の状態に最善な方法を選択することが大事になります。
このあたりが、我々のような治療家の「治療」において、一番難しく、かつ、面白いところです。
ある程度の治療パターンは、それぞれの術者で確立されていると思われますが、完全なワンパターンでは、当たるも八卦当たらぬも八卦のような治療で、限界があります。
やはり、それぞれ違う個性を持った患者さん、同じ患者さんでも時期により日により体調・症状の病勢も違う、という状態に融通無碍に、まるで、ジャズのインプロビゼーションのように対応していかなければ、良い治療を提供できないでしょう。
ジャズの素晴らしい退屈でないインプロビゼーションをできるようになるには、相当な練習・勉強・経験が必要です。 治療家も同じ、と考えております。
その患者さんの「今」に、臨機応変に様々な技を駆使して対応できる治療家を「達人」「名人」と呼ぶのだ、と考えています。 私(院長)は、もちろん、現段階では達人・名人ではありませんが、必ずその域まで到達すると心に誓っていますし、必ずなれる、と信じて、日々精進している者です。
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