筋機能をみる時、「最大筋力」、にフォーカスしがちですが、スムーズな動作を遂行するにおいて、重要になるのは、最大筋力ではなく、「筋交代」という概念が重要になります。
例えば、骨盤を水平に保つためには、股関節外転筋(主に中殿筋)が必要ですが、股関節伸展位では中殿筋の前部線維が主に働いて、スクワットしていくと股関節が屈曲していくので、骨盤を水平位に保つための筋線維の部分も変化してきて、徐々に中殿筋の後部線維が主に働かなければばらなくなります。
股関節外旋筋に関していえば、もっと顕著に股関節屈曲可動域によって、梨状筋→双子筋→閉鎖筋へと最大で作用する筋が変化していきます。
この、「筋交代」という機能がうまく働かないと、動作中に脱力してマルアライメントになったり、逆に過剰に緊張してスムーズな関節運動にならなくなったりといった現象が起こってきます。
もちろん最大筋力がある程度なければ話になりませんが、動作において、最大筋力ではなく、相対的な筋力、筋機能を筋交代というシステムを使ってその動作に必要な部位を自在に使えることがより重要だ、ということです。
人間は動物ですので、「動く」ことが生活の基本になります。
そういった日常のあらゆる「動作」において、この「相対的な筋機能」とでもいうべき「筋交代」がスムーズに行われることがスムーズな動作に必要不可欠で、逆に言えば、この筋交代がスムーズに行われないと、動作もスムーズに行われず、結果的に、こり・痛みなどの不快症状の発生につながるのではないか?と考えられるのです。
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