その患者さんは昼休み時に突然現れ、1週間前くらいから全身特に右上下肢に力が入らない、と訴えられました。
当然病院には行ったが、脳に異常はなく、それ以上いてもらちがあかないと判断され、半ば強引に退院して家からほど近い当院に来院された模様。
早速所見を取るも、やはりどうも脳ではなさそう、では何だ?
現在、ギランバレー症候群の後遺症の治療のため定期来院されている患者さんがおられることもあり、私(院長)の今までの限られた臨床経験より、ギランバレーかその類縁疾患ではないか?と再度病院での精査を薦め、とりあえず施術。
結論的に、その患者さんは、再三の病院へ行くようにというこちらの進言を断固拒否され、仕方なく連日鍼灸治療とマッサージ治療を施すことで、ほぼ完治されました。
数年前に、右首をむち打ちで痛めてることが影響しているのか、それも関連した自律神経失調から来る症状なのか、何しろ病院へ断固として行くことを拒否されるので、診断名は結局不明なままですが、一回目から鍼灸治療が効いたこともあり、治療継続し、回を追うごとに良くなり、結局5回くらいでほぼ完治となったのです。
半身の脱力症状とは、さすがに施術する方も緊張しましたが、とりあえず今すぐ死にそうにはないという判断と、患者さん自身の頑なな病院受診拒否から、こちらも腹くくって施術を続けて結果良かった、という症例でした。
この他にも、ここ最近は、病院の精査でも原因不明な症例のご来院が多い傾向にあります。
本当に人間の体というものは不思議でスパッと割りきることができないものですね。
そして、病院に行ってもらちがあかなくて困っている患者さんは、きっと少なくないだろうと、気持を引き締めなおすとともに、自分は何のためにこの仕事をしているのか、まさにこういった医療難民とでもいう人のお役に少しでも貢献したい、という気持ちが、自分自身の過去の経験も影響してこの仕事をさせているのだ、と改めて気づかされた今日この頃です。