OKはり灸マッサージに、アメリカ在住で、定期的に日本に帰るたびに、鍼灸治療を受けに来られる方がいらっしゃいます。
その方に、本場アメリカでの、最近のカイロプラクティック事情を尋ねたところ、
「一時期は大流行していたが、今は人気は下火で、その治療法自体に、アメリカ国民が警戒感を持っている、今は、断然、鍼灸やマッサージの方が人気がある」
というお返事。
カイロプラクティックとは
「カイロプラクティック」という療法は、アメリカ発祥の徒手療法です。
1895年に、ダニエル・デビッド・パーマーが創始したと言われています。
アメリカでカイロプラクティックを職業とするには、正規のカイロプラクティック大学を卒業しなければなりません。
「ドクターオブカイロプラクティック」と言って、「ドクター」の文言が入っているくらい、厳格な教育がなされていると言われています。
カイロプラクティックの懸念点
その、本場アメリカでさえ、今、カイロプラクティックの人気は下火なのだという。
カイロプラクティックは、主に「背骨」に着目した徒手療法です。
私(院長)が、常々、問題と感じるのは、「スラスト」といって、強い物理的外力を、人間にとって非常に重要な背骨に対し与えることです。
また、背骨は、あくまでも、人間の体の一部であって、そこだけを取り出して矯正するアプローチ方法も、どうかと思っています。
背骨は、全身との「釣り合い」の中で、歪んだり、機能障害を発生させるので、全身との連動性を無視して、いきなり背骨だけを矯正する施術法は、強い外力を与える施術法とともに、少々乱暴な印象を与えます。
背骨は、手足などの末梢と、密接に連動していますので、まずは手足から施術するという、オーソドックスな鍼灸治療のスタイルで、勝手に背骨もある程度調整されることが多いのです。
また、背骨に直接アプローチする場合でも、「モビリゼーション」といって、もっと優しい外力で十分調整できますし、鍼で背骨を調整することも可能です。
ことに、日本においては、カイロプラクティックは法制化されておらず、極端な話、ド素人の人が、「今日から私はカイロプラクティックをします」と言ってもできてしまう、という問題があります。
これは「整体」でも、同様です。
実は、私(院長)は、カイロプラクティックには、少なからず興味があり、実際に、習っていた時期もあります。
ですので、カイロプラクティックについては、そこそこの知識があります。
今でも、「モーションパルペーション」や「リスティング」などの知識と技術は、臨床で大いに役立っています。
現在、日本の多くの大学病院で、鍼灸治療が行われています。
鍼灸治療ばかりしている、風変わりなお医者さんもいます。
カイロプラクティックばかりしているお医者さんもいますが、カイロプラクティックは大学病院では現在のところ採用されていません。
要は、「鍼灸師は国家資格保持者」ですが、「カイロプラクティックや整体をする人は国家資格保持者ではないことが多い」ということが、非常に重要な点です。
ご自身の大事な体を誰に預けるか。
そう考えた時に、「国家資格をもった施術者の方が安心」と感じる人の方が多いのは自然なことです。
ただ、この記事は、カイロプラクティックを全面否定するものではありません。
実際、人間にとって「背骨」は、非常に重要な部位であることは確かですし、カイロプラクティックの施術によって、非常に有効な効果をあげられている先生もたくさんいらっしゃいます。
問題点は、「日本においては、正式なカイロプラクティックの養成機関と法整備がなされていない」ということです。