「骨盤矯正」、「骨盤調整」を行っている施術所は多くあります。
骨盤、骨盤調整、と一言で言っても、そんな生半可な簡単なものではない、ということが、骨盤について学べば学ぶほどそう感じます。
確かに、骨盤、特に仙骨は、人体の力学的中心部位ですので、非常に大切な部位です。
が、骨盤を考えるとき、基本として、骨盤だけを診るのではなく、腰椎~骨盤~股関節、という「骨盤複合体」として診なければなりません。
また、仙骨と後頭骨は密接に連動しているので、頭蓋骨も診なければいけません。
そして、いわゆる「骨盤の歪み」ですが、大きく診た場合と、細かく診た場合の2種類の歪みがあります。
まずは、骨盤全体のアライメントです。
骨盤全体が、前傾しているか、後傾しているか、などの評価です。
もう一つは、骨盤内の歪みです。
骨盤は、真ん中の仙骨と左右一対の寛骨とで構成されていますが、これらは、後方では仙腸関節で、前方では恥骨結合で関節を形成しています。
関節ですので、もちろん関節機能障害を引き起こすことがあります。
この仙腸関節と恥骨結合の歪みのパターンは数多く、これをきちんと評価し、施術するのは、ある程度の難易度が高いです。
施術の方法は様々なやり方がありますが、その前に、どこがどう歪んでいるのか、という「評価」が非常に重要なのです。
一般的に、骨盤矯正、とうたっている施術所は、前者の大まかなアライメント修正のことを言っていると私(院長)は思っていて、後者の詳細な骨盤内の関節機能障害の評価がきちんとできているか、が非常に疑問です。
そもそも、骨盤内の関節機能障害が発生すると、結構な痛みなどの症状を出しますので、悠長に姿勢改善とか言ってる場合ではない状況の施術になります。
そして、決定的に重要なことは、骨盤は骨盤だけでバランスをとっているわけではなく、全身のあらゆる部位と連動しています。
ですので、骨盤矯正します、と言って、骨盤だけにアプローチする、ということ自体がナンセンスなことのように思われます。
ですので、OKはり灸マッサージで、骨盤矯正、骨盤調整、とあえてうたっていないのは、それだけであたかも全ての問題が解決するかのような印象を与えるのが嫌だからです。
世の特に女性は、「骨盤矯正」、「骨盤調整」、が、「占い」、同様非常に惹かれるワードだということは重々承知しています。
ですので、商売的には、OKはり灸マッサージも、骨盤、骨盤、と大きくうたえば、より集客効果はあるでしょう。
ですが、先の理由から、あえて、骨盤押しはしていません。
しかし、私(院長)は、当然、骨盤についての研究は欠かしていません。
よく研究しているからこそ、安易に骨盤、骨盤と言えないのです。
何度も言いますが、体の一つの部位だけを取り上げること自体がナンセンスです。
全身は繋がっていて、一部分の異常は、あらゆる部位に波及します。
ですので、逆に言うと、例えば足先で骨盤調整することも可能なのです。
実際、癒道整体、シンクロ矯正法、それらに影響を与えた、高麗手指鍼、そして、「鍼灸」。
これらの末梢から中枢を整える、という方法、また、カイロプラクティックのように、中枢から末梢を整える方法。
どれが一番優れているか、という問題ではなく、これらを適材適所で効果的に使えるか、というのが、我々の業界で優劣を決める判断材料なのです。
格闘技で、どの格闘技が一番強いか?ではなく、強い人が強い、のです。
同じように、どの施術方法が一番優れているか?ではなく、優れている人が優れているのです。
とはいえ、鍼灸治療、は、他の施術方法にはない、独自の理論と効果があり、手前味噌ですが、「鍼灸最強」と個人的には思っています。
これも、どの流派が一番優れているか、ではなく、優れている鍼灸師が優れている、のです。
そういうものに私(院長)はなりたい。