多くの人が、通常、辛いと感じる部位は、「首肩」「腰」でしょう。
「背中」が辛いという方は、首・肩・腰に比べると少ないです。
しかし、「首肩こり・腰痛」の真犯人が、背中を支えている「胸椎・胸郭」であることが、非常に多いのです。
昔から、治療業界では、「隠れ胸椎」という言葉があります。
「肋骨」や「胸椎」を含む「胸郭」が、本来の動きを失うと、それを肩代わりして補うために、「頚椎」や「腰椎」に負担がかかります。
そうやって、なんとかがんばってフォローしようとするのですが、負担がかかり過ぎた頚椎や腰椎は、いつかパンクしてしまいます。
自らのポテンシャルを超えた動きな中で、関節や椎間板に負担がかかることで、気がつかないうちに痛めてしまうのです。
そして、知らず知らずのうちに、今度は筋肉が防御反応として緊張します。
そのうち、こうした負の連鎖から、ちょっとした動きや何かが引き金になって、急な痛みを感じることになってしまうのが、いわゆる「寝違い」や「ぎっくり腰」です。
このように、「胸椎・胸郭」は、知らず知らずのうちに固まりやすいですが、意識にのぼりにくい部位でもあります。
それを、昔の治療家は、「隠れ胸椎」と、言っていたのです。