近年の、関節リウマチの治療は、薬物の著しい進歩により、大きく変貌しました。
そんな現状においては、薬物治療への期待は、いやがおうにも高まります。
しかし、現実的に、薬物治療だけで、全てが丸く収まるわけではなく、今も昔も、リハビリテーションの重要性は変わりません。
リハビリテーションにおいて、患者さんに第一に求められるのは、今も昔も、痛みを少しでもやわらげること、です。
次いで、病気の進行を少しでも抑えることです。
それらによって、関節機能をできるだけ維持し、ADL(日常生活動作)を維持することが、関節リウマチのリハビリテーションの目的となります。
医療における、関節リウマチのリハビリテーションの中に、残念ながら、鍼灸治療は含まれていません。
しかし、痛みの緩和、消炎、関節可動域の維持・改善、は鍼灸治療が一定の力を発揮できる分野です。
病気の進行抑制、については、現在の薬物療法以上の効果を期待することは困難ですし、そもそも、その根拠も示されてはいませんが、鍼灸治療は、自律神経の調整を経由して(自律神経機能と免疫機能は連動していることがわかっています)、または直接的に、免疫機能異常を是正することは、決して全く不可能というわけではない、と私は、考えています。