変形性腰椎症に起因する、二次性の変形性股関節症は、hip-spine syndromeと言われ、骨盤後傾に起因する、臼蓋形成不全から発症する変形性股関節症です。
わかりやすくいえば、年を取る、などの原因により、正常な背骨の彎曲が減少し、背骨が後ろに突き出る形の変形をきたすことにより、それに連動して、骨盤も後ろに傾き、それにより、股関節の太ももの骨を覆う部分が減少し、その分股関節の部分の圧力が上昇し、股関節の負担が増すことにより、股関節が変形する、変形性股関節症、を発症する、というものです。
このように、腰椎(背骨)と骨盤と股関節は、密接に連動していて、どれか一つに異常をきたすと、他の部位のも悪影響が及び、障害が連鎖的に起こります。
さらには、体のさらに離れた部位にも影響し、様々な部位に、様々な障害を起こします。
ですので、我々、鍼灸マッサージ師は、患者さんが症状を訴える部位だけを診るのではなく、体全体を診て、どこがどう影響を与えているか?を診て、施術に当たらねばなりません。
この、いわゆる、「体を読む」テクニックは、非常に勉強と経験が必要で、また、診ようとしなければ、何年、何十年経験を積もうと、いつまでたっても身に付くものではありません。
かくいう私も、まだまだ未熟者で、なかなか患者さん全身の連動性を限られた時間で見通すことは、なかなか完全にできるものではありませんが、勉強と、診ようとする意識を持った臨床経験により、一歩一歩前進しております。
この「体を読む」テクニックに、理学療法士の方々の視点は、非常に役に立ちます。
最近は、鍼灸や整体の勉強以上に、理学療法や、それを応用したスポーツ領域の勉強の方が多いくらいです。
もちろん、現代整形外科学の知識も必須です。
マクロからミクロへ、そしてまた、ミクロからマクロへ。
知識は邪魔になりません。
あればあるほど施術に自信が持てます。
これからも、毎日コツコツ、様々な領域の勉強を続け、知識と技術を高いレベルで持った施術家目指して頑張ります。