関節リウマチは、本来は、自分の体をばい菌などから守るための、免疫システムが、自分自身の体の組織に対して間違って反応してしまい、特に、体の関節部分に異常な応答を起こしてしまうことによって、骨、軟骨破壊を引き起こす疾患です。
関節リウマチの治療体系は、この30年で、非常に大きな進歩を遂げ、特にここ最近の10年位の進歩は著しく、かつての、不治の病、から、今や治癒をも目指せる疾患になりつつあります。
かつては、関節リウマチの骨破壊の進行は、年月の経過とともに、ゆっくりと起こるもの、と考えられており、治療体系としては、副作用の少ない薬からはじめて、徐々に強い薬に変えていくというものでした。
しかし、最近になって、関節リウマチの骨破壊は、実は発症早期の1~2年に進行することが、明らかになってきました。
この発症早期に、十分関節リウマチの活動性を抑えることで、その後の骨破壊を防ぐことができることがわかってきました。
そのためには、早期診断、早期治療の必要性が認識されてきていて、そのための診断分類基準が整備されてきています。
1987年にアメリカリウマチ学会が制定した旧分類基準では、この、早期診断に結び付きにくいため、2010年に、アメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会が共同で、新分類基準を作成し、できるだけ早期に診断し、その後の有効な治療に結び付けるようになってきています。
これらの動きには、ここ最近の、新しい、非常に強力で有効な薬物の開発が関わっています。
これらの薬物は、従来の対症療法でしかなかった、「いわゆる痛み止め」、などとは全く作用メカニズムが異なり、関節リウマチという疾患の病態の本丸である、「免疫異常」自体を是正する作用があり、これらの新しい薬物の登場は、関節リウマチの治療を、大きく進歩、転換させたのです。
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