現在、体幹トレーニング、という言葉は、一般の方でもご存知だと思われるほどメジャーになっていて、アスリートであれば、必ず行っているトレーニングの一つとなっています。
この体幹トレーニングは、元々は、1990年代に、リハビリ領域で、腰痛にたいする運動療法の新しい考え方とアプローチとして、「腰椎の安定化機構」という概念、そして、そこから発生した、「コアスタビリティー」という概念が大本となっています。
ここでいう「コア」とは、腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋、という、いわゆるインナーユニットといわれる体の中心部で最も安定性に寄与する部位を指していて、そこから現在では、もっと幅広く、「体幹」という部位全体を指すようにもなってきています。
トレーニング領域では、「体幹主導」という概念があり、上下肢の良好なモビリティーは体幹の良好なスタビリティがあって初めて達成される、という考え方です。
要は、上肢、下肢、を上手く動かすためには、体幹部の安定性が獲得されていないとだめですよ、ということです。
この概念は、私(院長)の経験上、正しいと考えています。
体幹が弱まると機能不全が起こりがち
アスリートに限らず、一般の方でも、たとえば、
- 肩が凝る
- 腰が痛い
- 腕が痛い
- 膝が痛い
これらの原因を探っていくと、体幹部の安定性の欠如、つまり、コアスタビリティーの低下に起因している場合が非常に多いのは事実です。
ですので、施術により痛みを取る、という「他力」が現在の私(院長)の仕事ですが、もっと進んで、原因部位のコアスタビリティーの低下にアプローチするという方法もあるわけです。
これには、「自力」が必要で、これをマンツーマンレッスンすることを職業にしいる方を、「パーソナルトレーナー」と呼びます。
私(院長)は、「自力」も「他力」もともに重要と考えています。
整体の元祖、野口晴哉先生や、自力整体の矢上裕先生のように、非常に優秀な施術家だったにもかかわらず、一切の施術行為、いわゆる「他力」を辞めてしまい、「自力」だけを指導するようになった人もいます。
一方、私(院長)は、自力だけではどうしても解決できない問題というものはある、と考えていますので、施術を辞めてしまうことはないでしょう。
が、自力である、患者さん自身が行うトレーニングや体操的なものを指導して、より良い心身を実現するお手伝いをしたい、という願望も持っておりますので、とりあえずは、自分自身が日々いろんなトレーニングを実施し、その効果を体感し、トレーニング領域の勉強もし、ゆくゆくは「パーソナルトレーニング」も実施できるようになりたい、とも考えています。
実際、アスリートがスポーツ傷害で来院される時、基本的に施術のみで対応しますが、やはり多くの方が「どうしたら同じ怪我をくりかえさないで済むか?」とお聞きになるので、できる範囲で、サービスでトレーニング指導をいたしております。
この前、2回目のご来院となった、中学生サッカー選手の場合も、ふくらはぎの痛みが主訴で、鍼治療で痛みはとれるのですが、数か月して、また同じ症状で来られたので、体幹機能や基本動作を確認すると、びっくりするくらいできない。
特に、成人前のスポーツ傷害やパフォーマンスの伸び悩みは、基本となる身体機能に問題があることがほとんど、と、スポーツ医学領域では言われていますので、やはり、スキルトレーニングばかりではなく、基礎トレーニングが必要だな、と、臨床でもよく思います。
いわゆる強豪校といわれる高校は、そういったことをよく知っていますので、専属のトレーナーを付け、スキルトレーニングと同等くらいの基礎トレーニングを実施しているところが多いようです。
たとえば、清宮幸太郎を輩出した早稲田実業野球部、春高バレー優勝常連校、そして我が母校高知大学サッカー部、など枚挙にいとまがありません。
この知識は、プロ野球選手を目指している小2の我が息子にも応用させていただいております。
とりあえず、今は、とにかく柔軟性の獲得を最優先させていて、あとは、股関節周りを含めた体幹機能のアップを狙ったトレーニングを実施させています。
今の時期にこういった基礎トレーニングをしていると、将来必ずアドバンテージになると思っています。
私(院長)自身に限っても、息子のスポ少の関係で、たまにソフトボールやサッカーを実際プレイしますが、トレーニングをしっかり実施している時期とそうでない時期では、全くパフォーマンスレベルが変わりますし、その後の疲労度も顕著に違います。
ですので、アスリート、一般の方、ともに、コアスタビリティーというものが非常に重要であることは間違いない、と確信している私(院長)なのです。