頑固な首肩こりや腰痛をはじめ、なかなか改善しない慢性的な痛みをお持ちの方で、その背景に、強迫的な認知行動特性による、「過活動」、が存在することがあります。
難治性の筋肉痛・関節痛をお持ちの方は、ペース配分を考えず、休息を入れずに家事や仕事に強迫的に従事していることが多い、といわれているのです。
いわゆる仕事配分が、少量分割型ではなく、多量徹底型である場合が多いのです。
「一気に物事を行わないと気が済まない」、「物事を途中でやめることができない」という行動特性がある場合が多いのです。
こういった方の意識レベルでは、「何かやっていないと落ち着かない」、「スケジュールが空欄だと予定を埋めたくなる」、「常に何か建設的な事、前向きなことをしていないといけない」などの特性がみられ、
半意識レベルでは、「イライラ」、「不安」、「抑うつ」、「休んではいけない」、「愚痴を言ってはいけない」という状態が存在し、
無意識レベルでは、「自己否定感」、「無価値感」、「罪悪感」、「怒り」、「妬み」、「恨み」、「哀しみ」、「寂しさ」といった感情が隠れている場合がある、と考えられています。
リラックスしているとこれらの否定的感情を実感してしまうため、その不快さに耐えられず、過活動にはしり、交感神経系の過緊張状態に陥り、身体感覚は鈍麻し、副交感神経系の機能低下、自然治癒力の低下、から、精神疲労、肉体疲労に陥り、体が痛い、疲れた、もう限界、という状態に陥ってしまう、という流れにより、慢性的に痛みが持続する、というわけです。
その背景には、現在の慢性痛好発年齢である40~60歳代の世代が、戦後の混乱の中、苦労しながら日本を経済大国に押し上げた「強迫的で過活動の」世代(60~90歳代)を両親に持つ人々である、ということがあり、
養育の中で、「忍耐・努力・根性」を美徳とし、愚痴を言わず強迫的過活動を社会的に奨励されてきた歴史がある、とみることもできます。
「よき日本人」であることが、「慢性痛」になる条件と合致していることに注目しなければなりません。
世間的に良いことを、人並み以上に一生懸命に頑張ってきた方々が、近年になり、自律神経機能の限界を超えて、慢性痛を発症するほどに心身の状態が悪化し、今までのようには頑張りたくても頑張れない事態に陥っている、と考えられるのです。
そんな「ハイテンション世代」が、経済の低迷に伴う「抑うつ世代」ともいえる若者たちとのギャップに悩みつつ、目上の戦前・戦後世代のたくましさに劣等感を感じている世代の苦しさがそこにあります。
あくまでも、これらは、仮説であって、もちろん全てのケースで当てはまるとは考えてはいませんが、あることはあるか?と問われれば、「あると思います(古)」と答えます。
自分自身を含め、こういった方をお見かけすることはある気がいたします。
そこで提案です。
十分に休憩をとりましょう。
気分転換をしましょう。
要は、やはり、どこまでいっても、「バランス」の問題だと思われます。
良く働くという日本人の美徳は実際素晴らしいものです。
ただ、頑張りすぎて潰れてしまっては結局より良く働くこともできません。
頑張りすぎないように気を付けながらしっかりと頑張り、しっかり取るべき休息は取る。
このさじ加減が重要なのだと、自分自身にも言い聞かせ、明日からも頑張りたいと思います。