昨日、とある店に用事があり買い物していたのですが、ある客を案内している女性店員の歩く姿を後ろから眺める格好となりました。
職業柄、人の姿勢・動作を観察する癖がついてしまっているのですが、その人を何気なく見て、まず左肩がえらい下がっているなあ、と思いました。
その後、その人の歩く後姿を見ていたのですが、何とも非合理的な歩き方で、どうも妙な違和感を感じたのです。
決して、どこかに障害を持たれているわけでもなさそうだし、綺麗な年齢も若い方でした。
この妙な違和感は何だ?と思うと同時に、人間の超基本的な動作である「歩く」ということが、効率的にできていないのだ、とわかりました。
「歩く」とは、すなわち、「重心を移動させながら移動する作業」です。
この「歩く」という超基本動作が、現代人はもはやまともにできなくなっているのだ、と感じたのです。
当然「立つ」という行為もこの人は苦手だろう、と推察しました。
あまりにも便利になり過ぎた現代、こういった人は、自分を含めてこれからもどんどん増えていくことが予想されます。
こういった人には、姿勢矯正などの施術は、ごく一時的な効果しか生まないだろう、と予想されます。
もはやそれ以前の問題なのです。
このあたりもの問題は、治療家にとって、一番の悩みどころで、治療のそのさらに一歩前の段階でなんとかできないものか?と最近は真剣に考えるようになりました。
とりあえずもっと体を動かすことがあらゆる年齢層の現代人には必要です。
「便利さ」と引き換えに、人間は、どんどん動物として大切な何かを失っているように感じてなりません。
とはいえ、今は、来院される方の満足度を追及するのが仕事です。