膝を伸ばす太ももの前の筋力と、膝を曲げる太ももの裏の筋力のバランスは、多くの人のケースで、膝を伸ばす太ももの前の筋力のほうが強いのが一般的です。
膝を伸ばす太ももの前の筋力を100としたとき、膝を曲げる太ももの裏の筋力が60未満になると、太ももの裏の肉離れを起こしやすくなる、といわれています。
肉離れを起こす人は大柄で体重が重たい選手が多いですが、体が大きな人ほど着地時の衝撃が大きいため、それに耐えるように太ももの前の筋力が強くなっていく傾向があります。
そのため、その太ももの前の筋力に対して太ももの裏の筋力が追い付かなくなり、肉離れを起こしてしまうのです。
太ももの前の筋力を高めることは、もちろんパフォーマンス向上には非常にいいことです。
が、同時に太ももの裏の筋力も高めて前後の筋力バランスを整えることも大切なのです。
太ももの裏の筋力を高める方法はいろいろありますが、後ろ向きへのランニング、というのも一つの方法です。
その動作では、主に太ももの裏の筋肉が働きます。
人間の身体は、このように、元来、裏表で筋力が強くなりやすい方と弱くなりやすい方があります。
このような、いわゆる「筋バランスの崩れ」が凝り痛みからスポーツ傷害の原因となっていることは少なくありません。
全身をバランス良く使う、トレーニングする、ことが大切だ、ということです。