今や、猫も杓子も「筋膜リリース」。
筋膜リリースという言葉が以前よりよく聞かれるようになり、竹井仁先生の評判や認知度も上がっています。
筋膜リリースとは?
筋肉や内臓はなどの全身の組織は、「筋膜」と呼ばれる薄い膜で包まれています。
筋肉を包んでいる筋膜が萎縮することも、こりや痛みの原因のひとつです。
筋膜リリースとは、縮こまって萎縮した筋膜をほぐして正常な状態に戻すことです。
「筋膜はがし」と呼ばれることもあります。
筋膜は、脳と直結していると言われ、筋膜をほぐすと、こりや痛みの症状の改善の他、深いリラックス感を体にもたらします。
筋膜リリースの第一人者、竹井仁先生
最近では、メディアや一般書籍で有名になった、筋膜リリースの日本における第一人者、首都大学東京の竹井仁先生。
竹井仁先生は、まだ筋膜リリースが一般には知られていないころから「筋膜博士」として有名だった人物です。
しかし、実は、竹井先生は、筋膜リリースだけをやっているセラピストではないのです。
筋膜リリースは、もちろん、
- 頭蓋仙骨療法
- マッスルエナジーテクニック(特にアクティブモビライゼーションによる骨盤調整)
- ポジショナルリリースなどからヒントを得て自ら開発した、「マッスルペインリーフ」
- その他、「関節モビライゼーション」
これらにも精通した、徒手療法優先理学療法士セラピストなのです。
しかし、これら、筋膜リリース、頭蓋仙骨療法、マッスルエナジーテクニック、ポジショナルリリース、全て、元々はオステオパシーのテクニックです。
このように、オステオパシーから学んでいる徒手療法優先理学療法士セラピストは実に多いのです。
一方、オステオパシーの元祖の国、アメリカでは、オステオパス(オステオパシー療法士)は、医師の資格と同等ですので、専ら、実務に当たっているのは、理学療法士である、という、逆転現象が起きている、とのことです。
理学療法士が脊柱や骨盤や四肢の関節を調整する時、「マニュアルセラピー」という言い方をします。
この「マニュアルセラピー」の成立には、オステオパシー、カイロプラクティック、の技術が応用されています。
また、更にさかのぼれば、カイロプラクティックより歴史が古く、かつ、多大なる影響を及ぼした、オステオパシーは、日本の「整骨技術」が元祖とも言われています。
それ以前に、紀元前より、各地で、いわゆる関節の異常を修正するという医療行為は行われていました。
このように、手技療法の世界は、非常に混沌としていて、ボーダレス状態なのです。
実際、「あらゆる手技療法に決定的な垣根はない」と、私(院長)も考えています。
こういった歴史を踏まえて、今流行りの筋膜リリースというものを観ると、非常に興味深いものがあります。
ちなみに、筋膜リリースと、ロルフィングという手技を垣根なしに使うセラピストも多いようです。
整体、カイロプラクティック、オステオパシー、筋膜リリース、リンパマッサージ、ロルフィング、操体法、その他、諸々の名前の付いた手技療法。
一般の方は、わけわかんないと思います。
しかし、それら手技療法とは、確実に一線を画すのが、「鍼灸治療」です。
鍼(はり)と灸という、「道具」を使うからです。
この鍼灸治療も、術者により、様々なアプローチ方法がありますが、どれも鍼灸治療には変わりなく、「鍼灸」という超強力な「武器」を使える鍼灸師は、相当なアドバンテージがあると考えています。
鍼灸も使いこなすし、手技も一流。
そういうものにわたしはなりたい。
いや、必ずなれる、と、信じて疑わない私(院長)なのです。