鍼灸治療において、上下肢の末梢部、上肢であれば、肘から先、下肢であれば膝から先、への刺激が、根幹的な治療である、と、古来より言い伝えられています。
私(院長)は、その意味するところは、上下肢末梢部が、脳への刺激がダイレクトに入りやすい部位だから、と想定していました。
その考えは、間違ってはいないでしょう。
が、それだけではなく、上下肢末梢部への刺激が、アライメント、また、関節運動、においても、中枢部に大きな影響を与える、という事実を最近確認いたしました。
例えば、骨盤アライメント、仙腸関節機能不全、を修正する場合、もちろん、骨盤自体にアプローチする方法は間違っていません。
しかし、その場合、下肢末梢部、特に、膝関節付近の腱部、足関節付近の腱部、足指部、または、足の指と指の間の部位、への鍼刺激により、骨盤アライメント、仙腸関節機能不全、が修正されるのです。
それだけでなく、下肢末梢部への刺激は、骨盤などの下半身中枢部だけでなく、上半身中枢部のアライメント、関節機能不全、も修正する効力があります。
鍼灸治療において、これら、膝関節付近の腱部、足関節付近の腱部、足指部、足の指と指の間の部位、にあるツボは、全身に大きな影響を与える重要なツボである、と、古来より言い伝えられていますが、正に、これらの部位への刺激は、全身性に、アライメント修正効果、関節機能改善効果、がある、ということを、最近確認したのです。
また、上肢の末梢部への刺激は、主に上半身の症状に効く、と言い伝えられていますが、正に、肘関節付近の部位、手関節付近の部位、手の指部、手の指と指の間の部位、への刺激は、主に上半身のアライメント修正効果、関節機能改善効果がある、ということも確認しました。
これらの事実より、上下肢末梢部への刺激による効能は、脳にダイレクトに刺激が入ることによる効果、とともに、全身のアライメント修正効果、関節機能改善効果、によるもの、と、結論づけることができます。
というよりも、脳にダイレクトに刺激が入る、ことと、全身性にアライメント修正効果、関節機能改善効果、がある、という事実は、不可分なものである、と考えられます。
このように、上下肢末梢部への刺激は、構造的にも、機能的にも、全身性に有用な効果をもたらす、ということが言えるのです。
ですので、例えば、ギックリ腰、などで、患部にうかつに触れない時、上下肢末梢部への刺激で劇的に効果を上げる、という一見不思議な現象を起こすことができるのです。
これは、鍼灸刺激が非常に効果的ですが、工夫すれば、手技でも可能と考えています。
実際、そういったことをされている手技療法家はいらっしゃいます。
このように、つらい部位のみの施術だけではなく、一見症状とは関係ない部位を刺激して治す治療家は、レベルが高い、と言えます。
皆さんも、肩がこった、と訴えたら、何の評価もせず、有無を言わさず肩を触る、という治療家でなく、きちんと評価(検査)をし、全身的に施術をする治療家を選びましょう。
OKはり灸マッサージでは、はり灸コース、整体コース、において、必ず全身を評価してから施術させていただいております(マッサージコースはこのかぎりではありません)。