人間の動作は、日常生活動作からスポーツ動作、武術動作、に至るまで、体幹がまず動きそれに上下肢が追随するという動作が本来の合理的な動作です。
体幹の動きは、前後屈、側屈、回旋、の3種類しかなく、あらゆる複雑な動きもこの三つの動き方の複合したものです。
まずはこの体幹の三つの動きができるようになることが非常に重要で、それが成されないまま動作をすることにより、体幹と上下肢の連動性の失われた動きとなり、故障につながる、と考えられます。
私(院長)も含め、この体幹の三つの動きが十分にできない人は、特に現代では非常に多いと考えられます。
体幹は安定性はもちろん大事ですが、まずは自由自在に体幹を動かすことができるようになることが重要です。
この体幹の動きは、単に柔軟性とも少し異なるもので、能動的可動性、とでもいうべきものです。
動作ですので、当然自ら動いて獲得する以外に方法はなく、我々治療家はそういう点においては、単に少しお手伝いをさせていただくにすぎません。
心身の不調においては、どうしても自分でコントロールできない領域があります。
その領域におけるお手伝いをさせていただくのが治療家の仕事です。
ただし、自分でコントロールしようとすればできる領域もまたあります。
治療家が立ち入れない領域もまた少なくありません。
我々治療家は、我々のお手伝いできる領域においてのみ活躍できるのです。