第一頚椎横突起周辺は、解剖学的に重要な血管や神経が密集している、超重要ゾーンです。
あえて、その細かい説明をさせていただきます。
頭部の主要動・静脈である、外頚動脈、内頚動脈、内頸静脈、は、舌咽・迷走・副・舌下神経といった各脳神経や頚部交感神経幹とともに、顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋、茎状突起、茎突舌筋、茎突咽頭筋、による絞扼を受けやすい位置にあります。
内頚動脈は、舌下神経、迷走神経、頚部交感神経幹、とともに、顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋、茎突舌筋、茎突咽頭筋、により、頚椎側面に押し付けられる可能性を持ちます。
舌咽神経は、茎状突起や茎突咽頭筋と内頚動脈の間で絞扼を受けます。
内頸静脈と副神経は、顎二腹筋後腹と茎突舌骨筋、茎状突起、により、突出の顕著な第一頸椎横突起に押し付けられる可能性を持ちます。
外頚動脈は、本幹では、顎二腹筋後腹と茎突舌骨筋による絞扼の可能性を持ちますが、その枝である、顔面動脈、後頭動脈、後耳介動脈も、この2筋による絞扼を受けます。
また、上咽頭動脈は、茎突舌筋と茎突咽頭筋の内側をくぐり、顔面動脈の枝の、上口蓋動脈は、上記2筋の間をくぐります。
顎二腹筋後腹、茎突舌骨筋、茎突舌筋、茎突咽頭筋、は、いずれも頭蓋と舌骨や咽頭などをつなぐ筋で、それらの緊張度は、頭部の位置変化の影響を受けます。
また、茎状突起と第一頸椎横突起も、頭蓋関節を介して様々な位置関係を取りえます。
これらのことから、頭部の頚椎に対する位置の歪みや不正な動きが、直接的に、あるいは、介在する筋の緊張を介して、上述のや神経を圧迫し、頭顔面部をはじめ、様々な場所に様々な症状を引き起こしうる、ということが、解剖学的に考察されるのです。
あえて、難しい解剖学用語を使いました。
要するに、耳の下、アゴと側頭骨乳様突起の間、第一頸椎横突起が存在する部位は、信じられないくらいに、重要な血管や神経が密集している、物凄く重要な部位だ、ということです。
OKはり灸マッサージに来院される方で、ここの不具合がある方は非常に多いことが、触診によりわかります。
非常にデリケートな部位で、まず徒手療法だけでは、よっぽどの高度な技術の持ち主の施術者でないと、調整は難しいでしょう。
私(院長)は、以前より、この部位の重要性は、重々認識しておりますので、触るにしても、非常に慎重にアプローチします。
鍼であれば、徒手にくらべ、比較的安全かつ効果的に調整できます。
徒手でも調整は可能です。
首肩背中腕胸頭などに不快症状のある方は、一度、この耳の下のくぼみをそーっと触ってみてください。
変なゴリゴリや左右差が感じられませんか?
OKはり灸マッサージは、こういった、解剖学的に重要な部位というものをしっかり把握したうえで施術します。
OKはり灸マッサージは、安心・安全でなおかつ効果的な施術を常に追及していますので、こういった解剖学の勉強も大事にしているのです。