効果的な身体の使い方ができない原因は、ほとんどの場合、「股関節が硬い」とか、「肩甲骨の動きが悪い」など、「関節」を自在に動かせず、効果的な身体の使い方に必要な「姿勢」をつくれないことにあります。
こういう状況を改善するトレーニングとして、まず最初に浮かぶのが、「ストレッチ」です。
ストレッチで筋肉を緩め、関節が動きやすい条件を整えることは、もちろん非常に大事なことです。
しかし、筋肉が伸びるようになれば、関節を正しく動かせるようになるかといえば、必ずしもそうではありません。
これまで、その関節をあまり使ってこなかったから、その関節が硬くなり、効果的な身体の使い方ができなくなっていた、ということですので、関節を動かす感覚を取り戻す、「関節の動きの再教育」が必要です。
そのためには、関節を繰り返し動かす「体操」が有効です。
「ラジオ体操」は、非常によく考えられた効果的な体操ですので、基本動作の再獲得のためには、非常に有効と考えられます。
しかし、競技スポーツなどの、日常生活レベル以上の動きが求められる場面においては、その競技に合わせた動きを獲得するための体操が必要です。
つまり、例えば、野球の投球動作を良くする、という目的の場合、まずは、その理想的な動作のメカニズムをしっかり理解した上で、その「目的」を達成するための「手段」としての体操、をしなければ、パフォーマンス向上にはつながりにくいと言えるでしょう。
逆に、その目的に叶った手段としての役割がしっかり果たせる体操であれば、その体操をすることは、パフォーマンス向上に直結するでしょう。
このように、特に、競技スポーツにおいては、トレーニング、体操、をする場合、「課題解決型の思考」、が求められるのです。