現代は、力仕事、手間のかかること、時間のかかること、は、ずいぶんと文明の利器のおかげでしなくても済むようになっています。
あらゆる作業を簡略化、省力化した生活環境が当たり前になって、我々は、知らず知らずのうちに、極力筋肉を使わない日常生活を送るようになっています。
便利なことは、もちろん素晴らしいことです。
ただ、便利さと引き換えに、必ず失うものもあります。
その最たるものが、「筋肉」です。
現代は、常に筋肉を働かせることを意識していなと、衰えていく一方の時代です。
なにも、みんなマッチョマンにならなければならないということではなく(もちろん、なってもいいのですが)、健康を保つためには、最低限の筋肉が必要、という意味です。
こういったことは、健康で元気な間はわかりませんが、身近に寝たきりの高齢者などがいらっしゃる方などは、よくその意味がわかると思います。
何かの病気で寝たきりになるのはしかたないですが、筋肉を意識して使うことをしてこなかったことで、最低限必要な筋肉も失い、寝たきり状態に陥る人は少なくないのが現状です。
「人間とは、いつかは体のいうことがきかなくなり、動けなくなって死んでいくものだ」、と言ってしまえばそれまでですが、できる努力はしたい、と考えるのは私(院長)だけでしょうか?
こういった、筋肉の老化は、少なくとも30過ぎたら始まっています。
40代、50代、になると、そのせいで、様々な凝り痛みに悩まされる人が増えてくるのです。
そして、60代あたりが、その後の人生を決めるのではないか、と私(院長)は、考えています(当然、それ以前に病を得て死んでしまうこともあります)。
60代で、健康を保つための筋肉がある人とない人の差が、70代以降元気でいられるかの分かれ目ではないか。
健康を保つための筋肉、とは、姿勢を保つための筋肉、です。
姿勢を保つための筋肉が衰えると、姿勢は悪くなります。
また、逆に、悪い姿勢は必要な筋肉を弱らせ、その他の筋肉を緊張させます。
やはり、「姿勢が悪い」ことで、いいことは何一つないのです。
これでもかこれでもか、と、筋肉を使わなくても済むようなものや生活様式が次から次へと世に出現してきます。
もはや現代は、意識して筋肉を使おうとしたり、鍛えたりしないと、必要な筋肉が維持できない時代、と言えます。
以前、「ホンマでっか!TV」で、ブラックマヨネーズの吉田が、「どこまで便利になるねん、俺的には、洋式便所あたりまででよかった」との発言に、「本当に俺もそう思う」と思った者です。