ひとことで、「血流が悪い」といっても、その状態には、大きく分けて、
「虚血(血管の中を流れる血液の量が不足して、血流が悪くなっている状態)」
と、
「うっ血(血管の中で、血液の流れが滞って血液がたまっている状態)」
の、二つのパターンがあり、
「虚血」が「冷え」を、
「うっ血」は、逆に、熱(体温が高い低いの熱、ではなく、体の中に偏って部分的に存在する余分な正常ではない熱)
を生み出しているのではないか?と考えています。
たとえば、骨盤内での血流、についてこの考え方をあてはめてみると、
骨盤内の「虚血」が、
生理痛、生理不順、不妊、などの、機能的な症状(冷えの症状)を、
骨盤内の「うっ血」が、
卵巣腫瘍、子宮筋腫、などの、器質的な症状(熱の症状)を、
生じさせているのではないか?と、推測しています。
もちろん、両者が複雑に混在して、どちらの症状もおもちの方もいらっしゃるでしょう。
(冷え、と、熱、が同居している状態)
ですので、同じ、「血流が悪い」状態でも、この違いから、治療方法が変わってもおかしくはない、と考えます。
つまり、鍼灸治療で、血流改善を目指す場合、
お灸などで、冷えを温めて、血流改善。
針などで、熱を抜いて血流改善。
(いわゆる「ツボ」の中には、このような時に、体の中の余分な熱を体外に抜き去る効果がある、とされるツボは、たくさん存在しています)
針とお灸両方、上手く合わせて使って、血流改善。
というパターンがあると考えています。