私は、腰椎の可動性(モビリティー)が、人間の動きの要と考えています。
腰椎の可動性を高めるためには、その土台である骨盤との連動性が重要で、この、腰椎と骨盤の連動性を良くしていくためには、さらにその土台である、股関節の可動性(モビリティー)を高めていくことが必要と考えています。
ストレッチング、ですが、一般的には、「筋肉を伸ばすこと」と思われているかと思いますが、実際には、筋肉を伸ばしているのではなく、体の筋・骨格を包んで支持している、筋膜、などの膠原性結合組織の伸縮を整えて、体のゆがみを整えている、のです。
いわば、ストレッチングとは、筋ではなく、骨組み、または、体自体を伸ばすこと、です。
自分で、自分自身に、ロルフィング、という、筋膜にはたらきかけて体全体を整える施術法、を行っているようなものです。
実際にやってみるとわかりますが、確かにただ筋肉を伸ばしているのではなく、骨組みを伸ばしている、という実感があります。
自分の体と向き合うことで、治療のヒントもたくさん浮かんできます。
ストレッチンで体の柔軟性が出ても、途中でやめるとすぐ戻ってしまいますが、再開した場合、何回か繰り返すと、あまり元に戻らず、柔軟性が確保されたままの状態にもっていくことができます。
体にクセづいた筋膜などの膠原性結合組織が、ゆるんでくるのに、何回かのセッションを繰り返さなくてはならない、のは、治療においても同様な現象が起こっているのだな、だから、一回だけでは、すぐに元に戻ってしまうが、何回か治療すると、だんだんと体が変化し、治療効果も上がってくるのだな、と改めて実感することができました。
この股関節を中心としたストレッチングをすると、首肩などの上半身も柔軟性が出ているのに気付きます。
改めて、体は各部位が繋がって連動していて、下半身へのアプローチも上半身に影響を及ぼすのだ、と実感でき、大変に治療の参考にもなります。
私は、個人的には、体の可動性(モビリティー)を実現すれば、安定性(スタビリティー)は自然についてくる、と考えています。
ですので、筋力トレーニングよりも、まずは、柔軟体操(ストレッチング)を優先すべき、と考えています。
今回は、途中やめすることなく、自分で自分に鍼灸治療することとともに、これからもずっと続けていこうと思っています。