鍼灸領域で、症状に関係なく、その患者さんの心身の大元のバランス全体を整える目的で施す治療を、「本治法」と呼ぶ時があります。
主に、昭和初期に発明された、「経絡治療」という流派で使われる用語です。
この場合、バランスが整ったかどうかは、鍼灸領域独自の脈の見方で体のバランスを知る、とされる、「脈診」で判断します。
私は、この「経絡治療」という流派のやり方では施術してはおりませんが、「経絡治療」でいう「本治法」と、結果的に似たような施術をしている面はあります。
まず、仰向けで、手足末梢部で、経絡を考慮し、全身バランスを整える、ということを、日常的にしています。
私の場合、あと、お腹、と、鎖骨下部、にも、施術するパターンです。
私の場合、脈診は、「中医学派」、という流派のやり方を参考にしていますが、全身バランスが整ったかどうかは、脈診ではなく、骨格バランスが整ったかどうか、で判断しています。
このあたりが、「鍼灸」と「整体」の融合、という、私が目指している独特のアプローチ方法で、経絡治療という流派とは、かなり異なっています。
が、結果的に、同じようなことをしている可能性はあります。
主に重視している診方が異なるだけ、かもしれません。
とにかく、まず仰向けで、手足末梢、お腹、鎖骨下部、に施術するだけで、70~80%くらいの調整ができていることが多いです。
その前に、うつぶせでお体のバランスをあらかじめ診ておきますので、改めて、うつぶせになったときに、明らかに骨格バランスが整っているのを、確認することができるのです。
このように、仰向けでの、本治法は、非常に有効な施術法であることを、日々実感しています。