OKはり灸マッサージに、左側の顔の、目の下から頬から上唇にかけて常にしびれがあるという方が来院されました。
きっかけは、1年半前に受けた未破裂脳動脈瘤の開頭手術です。
手術痕は、左前頭骨から蝶形骨を経由し側頭骨まで及んでいました。
執刀医は、「そこの神経はさわってないから」と言って、特に取り合ってくれない様子でした。
【顔のしびれ】頭蓋骨のゆがみによって、神経がひっぱられてしびれが起きている?
私(院長)は、この状態を把握した時、「開頭手術により、頭蓋骨に歪みが生じ、神経が途中で引っ張られてしびれを出しているのではないか?」と推論しました。
頭蓋骨を触診すると、
- 頭蓋骨の位置の左右差
- 動きの悪い頭蓋骨の存在
これらがあることがわかりました。
また、骨盤も仙骨を中心に歪んでいて、その歪みは体全体にまで波及していました。
仙骨は、骨盤の中心にあって、背骨の土台となる骨です。
顔のしびれに一見関係がない場所に思えるかもしれませんが、仙骨は、背骨を経由して頭蓋骨と連動して微妙な動きがあります。
また、この方の顔面部のしびれは、眼窩下神経の支配領域に当たります。
眼窩下神経は、12対ある脳神経のうちの三叉神経の枝のひとつで、「蝶形骨」と「上顎骨」という骨の中を通って顔面部に出てます。
この「蝶形骨」と「上顎骨」のどちらか、または、両方が歪んで位置がズレると、神経が途中で引っ張られてしびれを出す、という病態が解剖学的に推論されます。
全身のゆがみ・頭蓋骨のゆがみの調整でしびれが軽減
この推論をもとに、全身調整と頭蓋骨の調整を行いました。
1回目の治療直後から、しびれの軽減が認められました。
2回目の来院時は、
- しびれの範囲が狭くなった(ほうれい線あたりから上唇あたりが残るのみ)
- しびれの強さ自体も軽減している
とのこと。
この改善傾向から、私(院長)の推論は間違っていない、と自信を持ち、1回目と同様の施術をしました。
すると、直後、更にしびれの範囲は狭くなり、上唇のみが残る状態にまでなりました。
3回目の予約を1週間後にとって帰られました。
まだ、途中経過の症例ですので、今後も注意深く経過を観察しなければなりませんが、2回の治療でしびれが軽減したという事実は、私(院長)の推論がおそらく間違っていない、ということの証明になっている、と考えています。
さて、今回のお話で登場した、「頭蓋骨の歪み」ですが、頭蓋骨は、耳の中の3つの耳小骨という骨を除き、23の骨が組み合わさって構成されています。
これらの骨と骨の境目は、「縫合」という状態でつながっていますが、この縫合には微妙な動きがあり、その動きが固まってしまって動かなくなったり、歪んだりするのです。
この頭蓋骨の動きの中心は、先ほど登場した「蝶形骨」と「後頭骨」です。
この2つの骨は、縫合ではなく、軟骨結合していて、様々な歪みを発生させることがあります。
この頭蓋骨の中心部の「後頭・蝶形底部」というところが歪むと、頭蓋骨全体が連動して歪みます。
頭蓋骨・骨盤をはじめ、全身を調整することが症状改善につながる
テレビに出ているアナウンサーの顔の左右の目の高さが随分違うなあ、とか思ったりした方もいらっしゃると思いますが、あれが「頭蓋骨が歪んでいる」状態です。
更に、先ほどの「後頭骨」と「仙骨」は「背骨」を経由して膜(硬膜)で繋がっているため、微妙な動きが連動していて、その動きが、健康維持にとって非常に大切な「脳脊髄液」を循環させています。
よって、頭蓋骨が歪むと骨盤が歪む、骨盤が歪むと頭蓋骨が歪む、という関係が成り立ち、その歪みは、脳脊髄液の循環不全を引き起こし、原因不明の様々な体調不良、をはじめ、様々な不調や症状を引き起こします。
OKはり灸マッサージでは、「骨盤」だけを取り出して施術するということはしない、と以前から言っているのは、このように骨盤が全身と切り離して単独では考えることができないからです。
よって、逆に、頭蓋骨だけを取り出して調整する、ということもしないことになります。
頭蓋骨の調整は、骨盤、背骨、はじめ、全身を調整してから必要であれば一番最後にするものなのです。
ちなみに、骨盤、と一言で言っても、その中心部の仙骨だけで14種類の歪みのパターンがあります。
OKはり灸マッサージでは、このように、「あらゆる部位を詳細に評価しながら、かつ、全身の連動性を観る」、という大変高度な施術で定評があるのは、このように「部分は非常に細かく評価するとともに、常に全身の連動性も考慮する」、という他院ではなかなかやれれていないことをしているからです。
話は戻って、この方のように、顔面部の痛み・しびれ・痙攣、でお悩みで、かつ、特に異常なし、と医療機関で診断されてお困りの方は、是非一度、OKはり灸マッサージの施術をお試しください。