長期にわたる慢性症状を、「1回の治療で治してほしい」という患者さんがたまにいらっしゃいます。
ぎっくり腰などの急性症状を1回~2回で治したという症例報告を時々させていただいている影響があるのでしょうか。
しかし、急性症状と慢性症状は、根本的に違った病態です。
慢性症状に陥っている時点で、
「自力で治る力が低下している」
ということの証明でもあるのです。
よって、当然、そういう方は治療に対する反応も鈍い傾向にあるです。
慢性症状でも、1回目から改善傾向を示し、回を追うごとにどんどん改善されていく方も確かにいらっしゃいます。
また、数回治療しても一向に改善傾向を示さない患者さんもいらっしゃいます。
改善傾向を示さない方に共通しているのは、
「身体バランス的には確かに改善しているが、肝心の部位がなかなか頑固で変化しない」
という事実です。
そう言った方は、当然治療を脱落していく場合が多いのですが、それでも頑張って治療を継続される方の中には、頑固に変化しなかった肝心の部位が、徐々に、または、あるとき急に変化して、結果、「治る」場合も実際にあります。
ですが、
「治療を継続したら改善するのかどうか」
は、正直なところ、
「やってみないと、続けてみないとわからない」
というのが現時点での私(院長)の答えです。
ですので、そこで治療を継続するかどうかは、患者さん側に選択権があります。
が、目安としては、
「5回治療しても一向に改善傾向を示さないのであれば、私(院長)の施術力では治せない確率が高い」
と言わせていただくにとどまります。
いずれにしろ、
「数か月~数年単位で続く慢性症状を1回の治療で完全に治してほしい」
というのは、「無理」な話なのです。
何回も通うことはできないという方は、ご来院自体を慎重に検討なさってください。
こういった話は、当院に限った話ではないと思います。
どうぞご理解ください。