近年の小学生の体力テストの結果が著しく低下していることは、少し前のブログでも触れましたし、一般にも広く知られた事実です。
その中でも、低下度が特に大きい種目が、「ソフトボール投げ」です。
これは、走る、跳ぶ、といった動作と比べて、物を投げるという動作を日常的にほとんどしなくなっていることが大きな原因と言われています。
その一方で、野球をしている子供たちに多いのは、肘を痛めてしまうことです。
これは、野球の指導がより専門化したため、大人と子供の体の違いを考慮せずに、大人と同じような投げ方をさせてしまうことが原因と考えられます。
成長前の子供に大人と同じ指導をしてしまうと、のちのち大きな故障につながる危険があることが、近年の研究で分かってきたのです。
2年前の夏前、当時高一の高校球児が肘痛で当院を受診しましたが、もはや手遅れ状態、肘がまっすぐに伸びない状態で、100%外側離断性骨軟骨炎、これは手術しかない、と告げると、病院でもそう言われたが、岡山の整体の先生は筋肉の問題だから、筋肉をほぐせば治る、といって、それを信じて当院でも鍼でなんとかして欲しいとの要望。
一応、治療はしましたが、将来的にも、肘が伸びないままになるから、もう一回しっかりと診てくれる整形を受診するように伝えるとともに、スポーツ医学もろくに勉強せずに自論を展開し、患者を食い物にしている整体院に大いに疑問を感じました。
この子の場合も、小学生時代の投球法がたたった結果だろうと予想され、いかに幼少期の指導は慎重でなければならないかを思い知らされた経験となりました。
以後何回かにわたって、幼少期の投球で気を付けなければならない点について書いていきたいと思います。