日々のコンディショニングにおいて、いくら良いストレッチやワークがあっても、それがすべてを解決してくれるわけではなく、それ以外のことの方が大事だったりします。
例えば、週一回の良いワークをしてプラス10にしても、日々マイナス2なことをしていたら、7日間でマイナス14となり、トータルでマイナスになるかもしれません。
それは、本当の意味で、良いコンディショニングができていない、ということを意味します。
ウォーミングアップは、何かをする前にやるものですので、ウォーミングアップをする時間がある、ない、といった議論になりますが、そもそもウォーミングアップ以前にやるべきことを日常に落とし込んでいけば、ウォーミングアップの時間が短く済んだり、もっと効率的にこなすことができます。
この、日々の行住坐臥、日常の動作自体を自分の身体づくりとして使えれば、一日24時間、何をしていても、コンディショニングになります。
禅宗では、生活動作のすべてが修行、と、考えます。
このように、日常をウォーミングアップの更にそれ以前のコンディショニングとして捉える、プレ・ウォーミングアップ、として日々を過ごすと、確実に痛みなどは軽減し、パフォーマンスは上がります。
スポーツで言えば、練習や試合の時だけ良い恰好をして頑張っても、日常生活において、悪い姿勢を取っていたり、良くない動き方をしていては駄目だ、ということです。
トップアスリートは、日常レベルから、良い姿勢、良い動作がキープできています。
日常生活の行住坐臥が重要、と、きちんと解っているからトップアスリートになれているのではないでしょうか?
それ以外の、トップアスリートもどき、の方々は、この日常生活における行住坐臥の重要性の認識が希薄な気がします。
よく、学生さんなど、アマチュアアスリートを診させていただくとき、その姿勢を観察しますと、ほとんどのケースで不良姿勢が見られます。
その姿勢なら、どこか痛くなって当然、と、考えられるのです。
スポーツ障害発生の、最も基本的な原因は、この、日常生活の行住坐臥、にある、のではないか?と考えている者です。