OKはり灸マッサージでは、鍼灸治療においては、ほぼ必ず腹部へもアプローチしますが、マッサージコース、整体コースの徒手アプローチにおいて、腹部へアプローチすることはほぼありませんでした。
が、最近、胸郭、呼吸、インナーユニット(横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群、多裂筋)への関心が高まっている私(院長)は、昨日、二名の方に、腹部からのインナーユニットへの徒手アプローチによる症状改善を体験しました。
一人の方は、治療がほぼ終了時に、最終確認で歩いてもらったときに、足元の不安定感を訴えられ、このインナーユニットへの徒手アプローチをしたところ、即座に症状改善をみました。
もう一人の方も、治療がほぼ終了時に、主訴である、仰向けの姿勢からの動きで腰が痛い、という症状が最終確認時にまだ若干残っていたため、同じくインナーユニットへの徒手アプローチで即時改善しました。
どちらも、長期的効果はまだ不明ですが、少なくとも即時に改善するこが確認できました。
このインナーユニットへの徒手アプローチは、具体的には、仰向けで、肋骨下部(季肋部)の両方を両手で引っ掛けるように呼吸に合わせ呼吸を補助するように拡げるアプローチと、下腹部両側への押圧アプローチです。
前者は、横隔膜機能の改善、後者は、腹横筋機能の改善を目的としています。
これにより、実際症状が即時改善を見せたことは、逆に言えば、これらの症状とインナーユニット機能低下が密接に関わっていることの証明にもなるわけです。
私(院長)は、今、呼吸活動に使うべき筋肉と姿勢維持に使うべき筋肉とを別々に使えるようになるエクササイズを試しています。
それにより、自身の不快症状が軽減できるか実験しているのです。
これが「良い」と確認できたら、患者さんにも紹介、アプローチしようと考えています。
自分で良いかどうか確認できていないものを人に薦めることはできないからです。
この実験の意図は、本来呼吸活動に使うべき筋肉を姿勢維持につかってしまっていたり、また逆に、本来姿勢維持に使うべき筋肉を呼吸活動につかってしまっていたりしている人が非常に多く、そのことが不快症状を産む原因の一つになっている、ということを学び、実際にそうなのか?を自身で確認することです。
「呼吸」は学び始めてみると、理学療法領域と古武術・古武道領域では正反対のことをいっていたり、かなり奥が深いことがわかってきたので、うかつに生半可な知識で指導することは、危険を伴うかもしれない、と判断し、まずは自身の体でしっかり試して良いかどうかを確認してから臨床応用するならしたい、とかんがえているところです。