鍼はなぜ効くのか?
鍼の作用機構については、
- 体表(皮膚、筋肉)に分布する感覚神経を刺激して、中枢神経系(脳、脳幹、脊髄)を介して作用する
- 痛覚抑制受容体に働きかける
といったことが言われていますが、鍼が効く仕組みについては、いまだよく分かっていない部分も多くあります。
体は電気や磁気を帯びている
私達の体を含め、この世のあらゆる物質は、分子で構成されています。
分子は、原子で構成され、原子はさらに、原子核と電子で構成されています。
電子の特徴として
- マイナスの電気を持っている
- 磁気を生じさせる
という特徴があります。
分子でできている私達の体も、微弱な磁気を帯びています。
これを「生体磁気」と呼びます。
生体磁気のバランスが崩れると体に病気や不調が出る?
病気や不調のない健康な体を、「生体磁気の乱れのない体」と仮定する
ある理由で、体内でマイナスの電気を持つ電子の均衡が崩れると、一か所に電子が異常に集合します。
その結果、生体磁気のバランスが崩れ、体に病気や不調が出る、と仮定します。
鍼治療で不調が改善するメカニズムは、この異常に増加した電子を、皮膚に鍼を刺す、または、接触させることで減少させ、生体磁気のバランスを整えているからだ、と仮定します。
皮膚に鍼を刺す、または、接触させると、電流が流れます。
また、鍼は金属ですので、電子を放出してプラスの電気を持つイオン(電気を帯びた原子)になろうとする、「イオン化傾向」という性質があります。
この二つの効果により、皮膚に鍼を刺す、または、接触させると、電子が増え、皮膚の表面がマイナスの電気を強く帯びます。
電子が増えて皮膚の表面がマイナスに傾くと、皮膚の内部は逆に電子の量が減って、プラスの電気を強く帯びるようになります。
これは、「分極」という、プラスとマイナスの電気が釣り合いを取ろうとするための作用のためです。
要するに、皮膚に鍼を刺す、または、接触させると、体内でプラスの電気が増加し、マイナスの電気を持つ電子の異常な偏りが正され、生体磁気のバランスが整うのです。
鍼治療で不調が改善するメカニズムには、このような「生体磁気のバランスを整える」という効果があるから、という一つの仮説です。