私たち人間の体を含め、この世のあらゆる物質は、「分子」でできています。
その「分子」は「原子」で構成され、「原子」は、さらに、「原子核」と「電子」でできています。
この「電子」はマイナスの電気を持っています。
また、「電子」は、「磁気」を生じさせます。
よって、「分子」でできている私たちの体も、微弱な「磁気」を帯びています。
これを「生体磁気」と呼び、病気や不調のない健康な体は、この「生体磁気」の乱れのない状態、と考えられます。
逆に、何らかの原因で、体内で、マイナスの電気を持つ「電子」の均衡がくずれ、一か所に異常に電子が集まり、その結果、生体磁気のバランスがくずれ、体に病気や不調が現れる、と考えられます。
鍼灸治療で、体の不調が改善するメカニズムは、この異常に増加した電子を、皮膚に鍼を刺すことで減少させ、生体磁気のバランスを整えているから、と考えられます。
皮膚に鍼を刺すと、皮膚の表面が傷つき、「損傷電流」という、マイナスの電気を持った電子の流れの電流が流れます。
また、鍼の素材である、「金属」には、電子を放出して、プラスの電気を持つイオン(電気を帯びた原子)になろうとする、「イオン化傾向」という性質があります。
この二つの作用によって、皮膚に鍼を刺すと、電子が増え、皮膚の表面がマイナスの電気を強く帯びます。
電子が増えて、皮膚の表面がマイナスに傾くと、皮膚の内部は、逆に、電子の量が減って、プラスの電気を強く帯びるようになります。
こうして、皮膚に鍼を刺すと、体内で、プラスの電気が増加し、マイナスの電気を持つ電子の異常な偏りが正され、生体磁気のバランスが整うのです。
そして、生体磁気のバランスが整うことによって、症状が改善するのです。
これらの現象は、鍼を皮膚に刺した時だけに起こるのではなく、鍼先を皮膚に接触させて回旋させたり、鍼以外の、金の粒などを接触させておくだけでも、同様の現象が起こります。
この考え方は、あくまでも、仮説ですが、実際の臨床現場では、正に、こうした現象が起きているとしか考えられない症状の改善の仕方を、日々体験します。
ですので、この説は、基本的に、「あると思います(古)」。
それ以外で、日々目の当たりにする現象を、うまく説明するメカニズムは、考えられないからです。
この、生体磁気のバランスを調整すること、を出発点として、自律神経系、ホルモン系、免疫系、などに影響を及ぼし、これらの異常も調整されることにより、様々な症状が改善されていく、と考えることができます。