前出の、ロルファーである、藤本靖さんによると、頭の芯である「蝶形骨」の緊張は、身体の芯である「横隔膜」を介して、身体全体の緊張へと広がっていくのだそうです。
特に、寝ても寝てもすっきりしない疲れの原因の一つに、この横隔膜が深く関わっている、とのことです。
横隔膜は、みぞおちの奥にあって、呼吸の動きをつくっている筋肉ですが、安静時の8割はこの横隔膜の動きでおこなわれているため、もし、ここの動きが悪くなると、呼吸をするためには周りの筋肉がすごく頑張らないとならなくなり、その結果、何もしていないのになぜか疲れてしまう、という状態になるのです。
また、横隔膜が緊張すると、その下にある「胃」も圧迫されてしまい、胃の具合も悪くなります。
また、横隔膜には、下半身へ血液を送る「大動脈」、下半身から血液を心臓へ送りかえす「大静脈」も通っているので、横隔膜が緊張すると、これらの血管の通りが悪くなり、下半身のむくみや冷えの原因となり、これも、疲れやすい身体につながります。
さらに、横隔膜の後方には、「腎臓」がぶらさがっています。
疲れと密接に関係する腎臓も、横隔膜の緊張の影響を受け、機能が低下してしまい、さらに疲れやすくなってしまうのです。
このように、横隔膜は、身体の芯であり、人間の健康にとって、非常に重要である、と、藤本さんは主張されています。
なるほど、と、うならされる理論です。