鍼灸治療の基本的な効能として、
<strong>1.構造面では、縮こまって硬くなった筋膜などの膠原性結合組織をゆるめ、体のゆがみを改善すること
2.機能面では、自律神経バランスを調整、改善すること</strong>
この二つの基本的な効能が、鍼灸治療の真骨頂です。
とすれば、この1と2は、別々に起こっているものではなく、連動して起こっている。
もっといえば、1と2は、同じことを違う面から見ているに過ぎない、といえます。
何らかの心身の不調がある場合、
<strong>1.構造面では、筋膜などの膠原性結合組織が縮んで硬くなり
2.機能面では、自律神経機能のアンバランスな状態や機能低下</strong>
が、同時に起こっていて、これらの1と2は、連動して起こっている、
という、見方です。
要するに、筋膜などの膠原性結合組織が硬く縮こまっている状態が、自律神経機能が不調な状態そのものであり、それが、「心身の不調そのもの」である、ということです。
例えば、「疲れやすい」「いつも疲れた感じがとれない」という不調がある場合、確かに、この1と2の状態が、同時に見られます。
つまり、筋膜などの膠原性結合組織は硬く縮こまり、自律神経機能はアンバランスになっています。
鍼灸治療によりアプローチすることによって、1と2は、本来同じ状態を構造面と機能面から別々に見ているに過ぎないことから、1と2は、同時に改善され、心身の不調を緩和することができるのです。
<strong>体がゆがんでいる状態(筋膜が硬く縮こまっている状態)
=自律神経機能に不調がある状態
=心身の不調がある状態
体のゆがみがない状態(筋膜が適度な柔軟性をもっている場合)
=自律神経機能が順調な状態
=心身が快適な状態
</strong>
ということがいえます。
ですので、鍼灸治療により、体のこり・痛みの改善と、内臓機能の改善と、気分の安定・壮快さは、セットで起こるのです。