頭痛は、様々な原因で起こる症状であり、命にかかわる病態が原因で起こっていることもありますので、「めまい」と同じく、まずは、脳神経外科や神経内科などの頭痛を専門的に診るお医者さんにしっかり診てもらうことが優先されます。
それらの診療を経た後、特に命の危険はない頭痛である場合が多いと思いますが、その場合、「緊張型頭痛」か「片頭痛」の診断がつくことが大半だと思われます。 たまに、「群発頭痛」と診断される方もいらっしゃるでしょう。
ところで、「頚性頭痛(けいせいずつう)」という言い方がされる場合があります。 首の骨や筋肉や肩の筋肉の異常から頭痛が起こるもの、つまり、いわゆる「肩こりが原因の頭痛」です。
実際、頭痛でお医者さんにかかって、「肩こりからきている」と言われた方も多いのではないかと思います。
また、「首、肩が凝ってくると頭痛(ひどい場合は、吐き気)が起こる」ということを、身をもって体験され、その連動性を良く分かっていらっしゃる方も、たくさんいらっしゃると思います。
「肩こりからくる頭痛」の一般的な説明として、 「筋肉の緊張が、頭蓋骨を覆っている筋肉までおよんで、頭が締め付けられて神経が刺激されて、頭がいたくなる」 というものです。
確かに、その一面もあると思いますが、それ以外に、 「脳を覆っている硬膜が緊張して、頭痛が起こっている」 場合も多いのではないか?と推測しています。
整体学的には、頭痛は、頚椎1、2番と関係が深い、とされていますが、そのあたりには、頭蓋骨と頚椎1、2番をつなぐ細かい筋肉が、頭と首の境目の奥の方に「後頭下筋群」として、存在しています。
近年、この4つの後頭下筋群のうちの一つ、「小後頭直筋」という筋肉を包む筋膜と硬膜は直接的な連結があることがわかりました。(小後頭直筋は上の図の1番)
よって、首、肩こりの緊張は、頭蓋骨内の、脳を覆っている、硬膜まで及ぶ、というわけです。
この硬膜の緊張自体が、頭痛をひきおこしているのではないか?と推測しています。
この硬膜は、非常に痛覚神経が豊富なところで、(脳自体には、痛覚神経が分布していないため、脳そのものは痛みを感じません)この緊張自体が頭痛を引き起こしている、と考えているわけです。
硬膜に緊張が入ることにより、脳脊髄液の流れも悪くなり、脳幹が圧迫されて、吐き気をだしている、と考えると、つじつまが合います。
この硬膜の緊張は、頭痛以外にも、脳機能にも影響を及ぼし、精神的な緊張(イライラ、体中の力が抜けない気がする、など)も、ひきおこしているのではないか?と考えています。
鍼灸治療で、頭痛の改善を目指してアプローチする場合、基本的には、OKはり灸マッサージの全身調整によるアプローチは変わりませんが、特に、やはり、首、肩まわりの緊張をゆるめる、つまり、肩こりの治療に準じる形の治療になります。
後頭下筋群そのものを狙って針をする場合も、もちろんありますが、頭痛では、いわゆる「局所」になりますので、局所にアプローチして害がないかをしっかりと判断してからアプローチします。
直接、後頭下筋群へアプローチしなくても、全身の筋膜の緊張の改善は、後頭下筋群と、それを通して、硬膜まで及びますので、局所ヘアプローチせずとも、楽になる場合も多いです。
首の筋肉のこりと、頚椎のゆがみは、ワンセットであることが多いですので、頚椎にゆがみが確認できれば、それ自体ヘモアプローチすることもあります。 首肩こりが改善されれば、自然に頭痛も治まっていることが多いです。
慢性的な頭痛で悩みの方は、ぜひOKはり灸マッサージの施術をお試しください。