痛み系と自律神経系は、発生学的にも、機構的にも、機能的にも、極めて密な関係を持つ、と言われています。
1.発生学的に、交感神経も感覚神経も、ともに出所が一緒である。
2.脳幹部の、自律神経の調節中枢といわれているところには、脊髄の痛覚系からの入力が認められ、痛覚ー自律神経反射回路を形成している。
3.自律神経系が調節している器官に対し、痛覚神経も直接的に調節作用を持っている。
4.慢性痛などの病態時には、交感神経と感覚神経の間に、直接的な連結がみられることがある。
特に、交感神経機能の異常と、慢性痛とは、切っても切れない深い関係があるようです。
交感神経の緊張は、いわゆる「こり」を直接的に生じさせます。
この「こり」がひどくなると、「痛み」に変わることを実感されている方も多いと思います。
対策としては、交感神経の異常に高まった機能を緩和してやることです。
鍼灸治療は、自律神経の調節作用がありますので、自律神経機能の改善を経由して、「こり」「痛み」を緩和することができるのです。