鍼灸治療院に訪れる不妊症患者さんは、様々な不定愁訴(体調不良)をかかえている方が多く、その不定愁訴の重症度が軽い方が、妊娠に至りやすい、といわれています。
また、その不定愁訴が減少していく(体調が良くなる)につれて妊娠に至りやすい、ともいわれています。
逆にいうと、妊娠に至りにくい患者さんは、不定愁訴の改善がみられにくい(体調不良に変化がない)方が多い、ということです。
このことは、不定愁訴の改善が、妊娠に好影響を及ぼしている、ということを示しています。
ですので、不妊症に対して鍼灸治療でアプローチする場合、例えば、肩こりなら肩こり、冷えなら冷え、を改善させることは非常に大切である、ということができます。
また、現代医学での不妊治療では、様々なホルモン治療がなされますが、それによる、卵巣過剰刺激症候群、とまではいかなくても、長期のホルモン剤投与によって、腹部腫脹、腹痛、胃部不快感、全身のむくみ、などを訴える場合があります。
鍼灸治療は、不妊そのものだけでなく、医療機関のホルモン療法による症状の緩和にも有効です。
この点においても、専門医療機関による治療に鍼灸治療を併用する価値がある、ということができます。