人間の動きのパターンを決める要素は、「関節」のモビリティ(可動性)とスタビリティ(安定性)です。
一つの関節の状態が悪い(=関節力が弱い)と他の関節で補おうと体のバランスが崩れ、痛みやケガが生じやすくなります。
関節のモビリティとスタビリティの能力(関節力)を高めることで、姿勢も良くなり、肩こりや腰痛といった慢性的な症状の軽減も期待できます。
立つ、歩く、走る、といった日常生活動作も楽になり、健康寿命を延ばすことにもつながります。
人間の動き(動作パターン)を決める3要素に、「筋肉・筋膜」「神経」そして「関節」があります。
動作パターンを最終的にコントロールしているのは神経と連絡している脳ですが、脳はいちいち個々の筋肉や神経の活動を認識しているわけではありません。
脳が認識しているのは、動作パターン。
姿勢・動作を改善するには、動作パターンを改善することが必要です。
その時一番重要になるのが「関節」なのです。
関節に求められるのは、モビリティとスタビリティです。
極論を言えば、この関節のモビリティとスタビリティが人間の体各部位で正常に機能していれば、凝り・痛みなどの症状は発生しない、と私(院長)は、考えています。
俗に言う「関節のズレ」が全ての愁訴の源である、と考えています。
こういう考え方は、一般の鍼灸マッサージ師はあまりしないでしょう。
学生当初より、関節のズレ、というものに関心を寄せてきて、臨床経験を積めば積むほど、この考えは確信に変わっていきました。
ですので、OKはり灸マッサージでは、筋肉・筋膜へアプローチすることが非常に多いですが、それも最終的には、関節の状態を良くするため、なのです。
筋肉・筋膜、神経の緊張と関節の状態とは、切っても切れない関係だからです。
それでも、筋肉・筋膜と関節とどちらを重要視しているか?といえば、「関節」なのです。
逆に、関節の状態が良くなれば、筋肉・筋膜、神経の状態も良くなります。
関節におけるモビリティとスタビリティとどちらも正常な関節力を保つには欠かせませんが、原則として、「モビリティ・ファースト」といって、まずは関節のモビリティを出すことが重要です。
OKはり灸マッサージでは、この関節のモビリティを出すことを施術の最大の眼目としているのです(症状により他を優先する場合も当然あります。
関節のモビリティが正常になれば、自ずとスタビリティの出やすくなります。
だから「モビリティ・ファースト」なのです。
OKはり灸マッサージの施術においては、こういった点を重要視していますが、ご自分でコンディショニング・トレーニングをされるときは、まず、この関節力をつけ、それと密接に関わっているインナーマッスルを強化することで、今よりも快適で動きやすい身体になることができる、と考えています。
なお、現在、OKはり灸マッサージでは、トレーニングを処方したり、指導することは行っておりません。
専ら施術のみの対処とさせていただいております。
が、私(院長)は、各種トレーディングに非常に興味があり、施術とトレーニングを合わせたメニューで、より効果を高めたい、とは、最近常々考えて、自分の体を実験台にしながら、コンディショニング・トレーディングの研究を少しずつ進めております。
将来的には、施術だけでなく、自助努力のやる気のある方やアスリートに的確なトレーディングを処方できるようになり、また、実践できる施設を作りたい、というのが、目下の目標です。
ですが、自助努力、トレーディングだけではどうしようもない症状、状態というものが多くあることも重々承知しておりますので、施術のレベルを今よりさらに上げ、最終的に頭蓋骨をも含めたどの関節でも調整できるようにまずはなることが先決、とも考えておりますので、今は施術技術をさらに上げることが最大優先事項です。