頑張る神経(交感神経)と、それを抑えてリラックスさせる神経(副交感神経)がバランスを取りながら役割を果たしている限り、ひとは健常でいられます。
しかしながら、何らかの理由で、ひとが目いっぱい頑張って、その体力の限界に近いところで更に頑張りすぎた場合、副交感神経の出る幕の無い、交感神経のみが働いてブレーキが利かないといった状況が継続することによって、自律神経の失調を引き起こします。
この状況は、言わばバネがほぼ伸びきって、もはやバネとして伸びる余地がない状況に例えることができます。
そして、もしもさらに力が加わり、バネの許容範囲を超えるようなことになれば、塑性変形が起こることになります。
その結果として、もはや元の弾力を回復することができず、バネとしての用を足せなくなってしまうのです。
「バランスを崩す」とは、そういうことです。
一度バランスを崩すと、元の状態に完全に戻るのは容易ではありません。
もしかしたら、二度と元に戻らないかもしれません。
よって、バランスを崩す前に、生活全般を見直し、頑張りすぎが続いている場合、出来るだけリラックスする時間を取るようにすることが必要となります。
「太く短く」という価値観も、個人の自由ですので、否定することはできませんが、もしかしたら、「細く短く」になってしまう危険性もはらんでいることだけは肝に命じておくべきでしょう。
「生きる」ことは、「バランスが全て」と、言っても過言ではない、と考えています。