手や肘の腱鞘炎でお困りの方は多いと思います。
腱鞘炎の原因は、ズバリ、「使い過ぎ」と、相場が決まっていて、誰もこれを疑う人はいません。
我々のような、治療家でさえ、そう考えて、局所しか診ない方は、結構おられるのではないでしょうか?
しかし、整体領域では、別の考え方もあります。
頚椎が歪み、さらにその影響で、肩関節が内旋し、手や肘に行く神経が引っ張られて、神経伝達が悪くなる結果、末梢に症状が出る、という考え方です。
当然、胸郭出口と呼ばれる領域は、斜角筋や鎖骨下筋、小胸筋が緊張し、狭くなっています。
さらに、神経伝達に悪影響を及ぼすでしょう。
頚椎の歪みがあるので、当然、首や肩は凝ります。
くびかたが凝っていない腱鞘炎患者を私は知りません。
そして、施術は、やはり、末梢に至る道筋をつけてやる、すなわち、おおまかに簡単に言えば、くびかたこりの治療をすることで、症状は快方に向かっていく方がほとんどです。
実際に、そういう症例を多く経験するにつれ、先の考え方は、正しいと考えざるを得なくなります。
先の原因は、別の言い方をすれば、手や腕の要である、肩甲骨、の可動性の状態が悪い、つまり、手や腕を使うときに、肩甲骨から動かすという意識が希薄で、腕の力だけで腕を使っている方に多く発症するようです。
同じように、よく手や腕を使っても、腱鞘炎になる人とならない人がいるのは、この辺に原因がありそうです。