背骨が、人体にとって大事な部位であることは、カイロプラクティックや整体の視点からでなくても、異論ないところでしょう。
ところで、背骨の状態は四肢の状態を反映した鏡のようなものである、という考え方があります。
つまり、背骨は、単独で変位してるのではなく、上肢と下肢の状況に連動して、いかようにも変化する、という考え方です。
上肢の要が肩甲骨、下肢の要が股関節、そこから変えていくことが、結局良い背骨の状態を保つ秘訣で、背骨単体だけ取り出してアプローチしても、あまり効果的ではない、と考えるのです。
伝統鍼灸といわれる、鍼灸治療のアプローチ法がありますが、四肢末端を最重要部位ととらえます。
学生の頃や駆け出しの頃は、その意味が全く理解できていませんでしたが、多くの経験を積むようになってからは、その意味も、体験的に理解できるようになりました。
神経生理学的にみても、四肢末端は、身体に(特に脳に)非常に影響が大きい部位ですが、それ以外の意味で、先の、身体の連動性の要の部位である、ともいえるようです。
ですので、OKの鍼灸施術でも、基本的には、仰向けでの、四肢末端からのアプローチをメインに据えています。
伝統鍼灸の世界では、「本治法」と呼ばれ、一番重要視されるところとなっています。
実際、施術前のうつぶせの状態で把握した体表所見が、あおむけの施術をした後では、必ず変化しています。それも、身体の構造的バランスが整うように。
伝統鍼灸の世界では、脈診が最大の施術の舵取り役を担っていますが、OKでは、それよりも、構造的な変化、体表所見の変化を重視しています。
ここが、OKの鍼灸施術の特徴であり、他の一般的な鍼灸施術とは一線を画した、「整体鍼灸」とでもいえるような、総合格闘技的施術となっています。
常に、身体の構造的変化、体表所見の変化をモニターしつつ、鍼灸と整体の融合を目指した、より効果的な施術を目指しています。
現時点でも、そこそこのレベルには到達しているとは感じてはいますが、まだまだ、現時点の私では、見えていないところも多々あるので、もっともっと患者さんの身体とその変化が、手に取るようにわかるように、今まで見えていなかったものが見えるように、感じれていなかったものが感じれるように、これからも臨床力向上を常に目指して努力していきます。
その意味でも、今は、整体の技術を向上させることを最重要課題においています。
整体の技術が上がれば、自ずと鍼灸の技術もさらに向上することがわかっているからです。
日々、ストレッチや筋トレなどで、自分自身の身体と向き合っているのも、自分自身の健康増進の意味ももちろんありますが、身体の連動性を自分自身の身体で味わい、確認することで、施術にフィードバックできると考えているからです。
実際、名施術家と言われるような人たちの多くは、何らかの自分の身体の自己鍛錬を行っているようです。
この事実は、自分が自己鍛錬を経験してみて、よく理解することができるようになりました。
ですので、臨床力のさらなる向上のためにも、これからも、より深い自己鍛錬を追求していこうと考えています。