胸郭運動システム、とは、体幹内において胸郭から脊柱を介して骨盤帯に、また骨盤帯から脊柱を介して胸郭に連鎖を引き起こし運動を波及させ、体幹をコントロールする運動システム、です。
昨今の体幹ブームのわりに、「胸郭」というものにスポットが当たることはほとんどありません。
体の歪みの大本命の骨盤矯正も、骨盤が確かに人体にとって非常に重要な部位であることは間違いありませんが、骨盤だけを取り出して、そこだけを調整すればOKというような風潮に、私(院長)は、以前より大変違和感を感じておりました。
繰り返しになりますが、人間の体というものは、全ての部位が連鎖してバランスを保っています。
骨盤だけで人体のバランンスを保っているわけではなく、足部、股関節、肩甲骨、頭部、そして、胸郭、など、あらゆる部位が相互に影響しあってバランスを保っているのです。
「体の歪み」というキーワードに絞って考えても、骨盤だけを診るのではなく、あらゆる部位をできるだけ詳細に評価し、なぜ骨盤がこのように歪んでいるのか?他部位とどういう関係性を持って歪んでいるのか?まで考えなければなりません。
話を胸郭に戻しますが、胸郭を「運動器」として捉えてその機能評価、治療をされている施術家は非常に少ないと思います。
ところがやはり凄い人がいました。
「運動器としての胸郭」を長年追及してきて、胸郭運動、機能が、他部位とどういう連鎖をもっているか?をかなり詳細に解き明かしておられる理学療法士の先生がおられます。
柿崎藤泰先生です。
柿崎先生によれば、胸郭と骨盤とは切っても切れない深い関係性を持ち、それぞれの歪みはそれぞれに相互に影響し合う、とのことです。
自分(院長)も臨床で、胸郭にそれぞれ独特の歪みがあることは承知していました、が、胸椎と肋骨に分けて捉えて、それぞれを調整しておりました。
今回発売された待望の書、「胸郭運動システムの再建法」は、まさに目から鱗の非常に優れものです。
この書籍をマスターすれば、自分の臨床力がさらにアップすることは間違いありません。
近い将来、「骨盤矯正」にとって代わって。「胸郭矯正」という概念が当たり前のものとなるかもしれません。
そんな予感を抱かせるほど素晴らしい内容なのです。
今、自分が追及している「頭蓋骨調整」「頭蓋仙骨療法」「顎関節調整」「上部頸椎調整」「マッスルエナジーテクニックによる骨盤調整」とともに、慢性障害で苦しんでいる方を治すために必ず必要になるメソッドだ、と確信しています。