1996年、アメリカの心理学者、アーロン博士がHSPという概念を提唱しました。
HSPとは、ひとことでいうと、非常に敏感すぎる気質を持っている人、のことです。
他人の気分に左右されやすかったり、人混みにいると疲れやすかったり、すぐにびっくりしてしまったり、痛みに異常に弱かったり、スピリチュアルなものに惹かれやすかったり。
研究では、どの社会にも15~20%の割合でHSPがいることが判明しており、環境などによる後天的なものではなく、生得的な気質だとのことです。
生まれつき敏感なHSPがストレスを抱え続けると、人より体を壊しやすい上、不思議な体験をしやすくなる、とされています。
HSPの方は、この気質のおかげで、とても生きづらく感じている人が大半と言われています。
要は、5人に1人が敏感過ぎて困っているのです。
HSPは5人に1人ですが、この数十年で、食べ物や花粉など様々なものに敏感な人がどんどん増えています。
1980年代以降、誰にとっても身体が過敏化する傾向があるのです。
理由はよくわかっていませんが、「敏感さ」は、生物の生存戦略であるわけですので、それだけ高いセンサーで身を守らないと生きていけない時代になりつつあるのかもしれません。
HSPは日本ではまだまだ知られていません。
対処できる医師や研究者もごくわずかです。
おそらく、これからこの概念はもっともっと広まっていくでしょう。
OKのような治療院に来院される方も、これに該当する方は少なくないと思われます。
「そんなん気にしすぎやろ」
と、施術者が思ってしまったら、患者さんの行き場所はなくなってしまいます。
そういった方かもしれない、と、常にこの概念を頭の片隅に入れながら臨床に臨みたいと考えているところです。
ちなみに、私(院長)自身はどうでしょうか?
当てはまる部分もあるしそうでい部分もあるグレーゾーンというところでしょうか?
この仕事は、非常に敏感さ、繊細さが必要な仕事ですので、ある意味、職業柄、HSPにならざるを得ない一面があるように感じます。
これへの対処法としては、原始仏教のハウツーは非常に有効ではないか?と個人的には思っています。
まあ、敏感すぎても疲れるし、鈍感すぎても人として魅力に欠ける。
やはり、古来より言われている「中庸」という概念は非常に重要なキーワードにこれからの時代ますますなっていくのではないかと思っています。
何事も「バランス」。
これが一番大切だ、と改めて考えさせられたところです。