投球動作において、肩甲骨の運動が重要であることは確かですが、肩甲骨は、胸郭の上を動く機能的な関節をなしているため、土台となる胸郭・胸椎の機能低下は、肩甲骨の運動に影響を及ぼします。
円背など、胸椎・胸郭のマルアライメントは、肩甲骨の上方回旋や後傾を制限する因子となります。
実際、投球障害肩の選手は、胸郭の開大、胸椎伸展運動が制限されていることが多いのです。
そのため、肩甲骨は、十分に後傾できず、代償的に、肩甲上腕関節の外旋運動が大きくなり、それに伴い、加わるストレスも増大します。
エクササイズによる自動運動で、この胸郭・胸椎の可動域を獲得することが理想的です。
他動的に可動域だけを獲得しても、実際の投球動作で反応できないこともあるからです。