単純な身体動作から競技動作まで、動きがうまくできないというのは、関節可動域が不足していることが原因のことが少なくないです。
特に競技動作の場合、関節可動域は動きの基盤になっているので、その競技に応じた関節可動域を得ることは必須事項となります。
例えば、野球におけるピッチングでは、「胸を張って」とよく言われますが、ただ胸を意識的に張るだけだと、背中の筋肉が収縮してしまい、ボールを投げようとする前方向の力に対して反対のことをすることになってしまいます。
あくまでもボールを前に投げる動きの中で、各関節の可動域が十分あることによって結果として自然に胸が張られたフォームになっているのであって、関節可動域が不十分なままただ胸を張ることを意識してやろうとすると歪が生まれ怪我に繋がってしまいます。
近年、スタティックストレッチは敬遠されがちですが、上手に使えばかなり効果的なトレーニングだと考えます。
スタティックストレッチを競技直前にやるとパフォーマンスが落ちる、ということがスタティックストレッチが敬遠される主な理由と思われますが、もし試合前だとしても、ストレッチから5分以上の時間があれば問題ないというデータもあります。
関節可動域を得る長期的な手段として、スタティックストレッチは非常に効果的な手段である、と考えています。