数日前に来院された方は、右半身の凝り痛みを訴えることが多い方で、その都度鍼灸治療により改善し、悪くなったらまた来られる、というパターンの方でした。
凝り痛み症状と、全体的なやる気などの活動性とが連動される方で、凝り痛み症状があるときには、食欲不振、やる気の低下なども伴うことが多く、鍼灸治療により凝り痛み症状が改善すると、連動して食欲ややる気なども改善されていました。
こういうような、凝り痛み症状と自律神経系的症状が連動して出現し、鍼灸治療を施させていただくと、どちらも改善される方はOKはり灸マッサージでは少なくありません。
さて、この方が数日前に訪れた際には、数日間何も食べたくなく全く食べていない状況でした。
教科書的には、空腹時に鍼灸治療を行うことは良くない、とされていますが、この方の場合、よくあることですので、大丈夫と判断し施術させていただきました。
当然内科医院にもかかっていて胃腸炎的な診断による治療がなされ、明日エコー検査を控えているとのことで、特に緊急性を感じる兆候もなかったので、施術させていただき、その場で症状は改善しました。
その後どうかな?と気になっていたところ、丁度電話を下さり、急性胆嚢炎だった(おそらくお話から)とのこと。
そうだったのか、と、胆道感染症について一生懸命勉強していた矢先、昨日、時々どこそこが痛いといって来院される方が右季肋部痛で来院されました。
3日ほど前より痛みが出現し、内科でエコー検査、CT造影検査までしても異常なし、とのこと。
深呼吸や笑っただけでも非常に痛いとのことで、筋骨格系を疑いつつも、ついこの前の今回でしたので、胆道系感染症の検査所見であるマーフィー徴候(右季肋部を押した状態で深呼吸した際に痛みが生じる)がバリバリの陽性でしたが、内科で問題ないと言われていたこともあり、鍼治療を応急処置的にさせていただきました。
前回の方同様、右下部肋骨の動きが制限されていましたので、その動きを出すような施術をさせていただき、痛みが軽減した、とのことで治療終了となりました。
が、完全に内科的問題が否定されたわけではない、と感じましたので、良くなればいいがまたすぐぶり返す場合はもう一度内科を受診するようにお伝えしました。
改善傾向でまだ痛い、という場合はOKはり灸マッサージで対応させていただきますともお伝えしました。
このように、痛みとの因果関係が不明ではあっても、やはり常に重篤な内科的症状はないか?を疑ってみることの大切さを再認識したこの数日でした。
とにかく、最近少しおろそかになっていた、内科、神経内科、などの現代医学の勉強もコツコツと続けていかなければならないと思い知らされた症例でした。